令和4年度

校長より

霧の町 川 俣

掲載したのは、7月上旬の写真です。普段なら、遠くまで見通すことができる、きれいな川俣町の風景をほとんど目にすることができません。これは、霧によるものです。しばしば、夜中や明け方の時間帯に、空気中の水蒸気の増加と気温の低下により発生する霧。この言葉は、雨と務の組み合わせによりできています。「務」には「覆う」という意味があるので、霧とは、雨が辺りを覆っていることを指します。空気中に漂う無数の水滴を伴うことから、霧の中に入ると、やや涼しくも感じます。10キロ以下の範囲にかかるものを霧、それ以上の広範囲にかかるものを靄(もや)と言います。風情のある光景ではありますが、歩行者も車の運転者も、お互いに相手を確認しにくい状況となります。移動の際には一層の注意が必要です。

7月上旬の風景です。

普段の川俣町の風景です。

7月15日(木) 川俣高等学校長

部活動(ウェイトリフティング部)

卒業アルバム用写真撮影をしているところをお邪魔しました。本校ウェイトリフティング部です。3年生にとっては最後の大会となる、インターハイ県大会及び県総体において、いずれも自己ベストを更新するなど健闘しました。今後は競技を離れ、自らの持つ進路目標の達成に向けて取り組むこととなりますが、本校での競技をとおした思い出は、一層深いものとなりそうです。なお、本校ウェイトリフティング部顧問もまた、選手として県総体に出場し、見事優勝しました。

7月14日(水) 川俣高等学校長

 

執 着

学術的目的でチンパンジーを捕獲する際に、アフリカではウロ(空洞になっている筒のようなもの)の中に、バナナや木の実などチンパンジーの好物を入れておくのだそうです。チンパンジーは獲物を見つけると、穴の中に手を入れます。その穴は、ものを手でつかんだときには、引っ張り出せない程度の大きさになっています。手を放せば逃げることが可能なのに、チンパンジーの習性から一度つかんだものは放そうとはせず、結果として生け捕りにされてしまうのだそうです。こうしたことは、チンパンジーに限ったことではないようにも思えます。過度の執着から、大きな損失を生むことは、周囲にも多々ありそうです。時には、思い切って執着から解き放たれ、自由になる瞬間があってもいいのかもしれません。

7月12日(月) 川俣校長学校長

変えられないことへの心配

ある調査によれば、56%は起こりそうもないことについて、26%は変えることのできない過去について、8%は他者の意見について、そして4%はすでに解決済みのことについて、人は悩み、心配していることが判明したそうです。変えられないことへの心配が94%も占めているのに対して、真に考えなくてはならないことを考えている割合は6%であり、それでも人は、かなり充実した生活を送ることができています。であれば、もしもその割合を、6%から7%、そして8%と少しずつ増やすだけで、生活は一層楽しくなりそうです。

7月9日(金) 川俣高等学校長

復 習

心理学者エビングハウスによれば、人の脳は記憶したことのうち、20分後には42%、1時間後には54%、1日後には74%を忘れるのだそうです。忘却機能は、人の脳の容量を守る意味において重要なものですが、こと学習をする際には、あまり好ましいことではありませんね。そこで先生方は、復習、言い換えれば、繰り返すことの重要性について生徒の皆さんに話をするはずです。記憶には短期記憶と長期記憶があり、その判断は海馬と呼ばれる器官で行われます。海馬で重要な情報と判断されれば、長期記憶として扱われ、逆の場合には、忘れてもいい短期記憶とされます。そして、その判断の決め手となるのは、当該情報が何回も流れてくるのか、それとも単発なのか、ということによります。復習とはまさに、海馬に重要と判断させるための行為なんですね。

7月8日(木) 川俣高等学校長

 

文明の大変革その2

どうすれば、大変革の時代を楽しく乗り切ることができるのでしょうか。意外に難しいことではないかもしれません。文明の大変革とは、大小はともかく、究極、異なる見方の発見です。よって、川高生の皆さん、少なくとも、自分の周囲にあることをよく見て、よく考えて、疑問に思ったことを調べることから始めてみませんか。常に頭の中に、「なぜの嵐」を起こすのです。目の前の事象を当たり前と捉えれば、そこからは何も生まれません。「なぜ」と疑問に思うことで、自分の中に新たな視点が芽生えます。そしてその新たな視点を、できる限り論立てて、周囲の友人に話してみましょう。聞いた友人は笑うかもしれません。でも、後に多数派となる新たな考えの開拓者は、これまでの歴史を振り返ってみても、最初は受け入れがたいとされるなど、常に少数派でした。

7月7日(水) 川俣高等学校長

文明の大変革その1

中世の文明は、諸学の王と呼ばれたアリストテレスによる、学問体系の上に築かれていました。その物理学の分野が、ガリレオ・ガリレイの落体実験により否定され、天文学の分野がケプラーによりくつがえされ、アリストテレスの権威は大きくゆらいでいきます。そして、哲学の分野が、デカルトやフランシス・ベーコンにより凌駕されたとき、近世における知識体系の構築が始まるものの、その文明もまた、20世紀に入ると、再び大きくゆらぐこととなります。文明が、数十年、数百年規模で変革を迎え、それに伴い新たな文明が生じる構図は、これまでの歴史を紐解けば明らかです。そして、川高生の皆さんが生きる今もまた、その文明の大変革を迎える時代なのです。これを大変なことと感じてしまうのか、または、楽しそうだと考えるのかによって、大きな差が生じます。この続きは、また明日書きます。

7月6日(火) 川俣高等学校長

ICT機器を活用した授業(英語編)

校舎内を見て回っていると、偶然、生徒の元気な声が聞こえたので教室にお邪魔しました。ICT機器を活用した、2年生の英語の授業中でした。本校は、各教室にプロジェクタやスクリーン、モニターが完備されているため、先生方は自分のパソコン1つを持参すると、コンピュータ等をとおしたした授業を行うことができます。この授業では、生徒に教科書を読ませたり、予め配布したプリントに英文を書き取らせるなど従来の指導法に加えて、短時間でモニターから消える英文(その消すスピードも変えて演習を行っています)を早く読み込む練習や、モニターに映し出された英文内に適語を補充して英文を完成させるなど、かなり洗練された独自教材を使っていました。生徒は、様々な角度からの教員の問いに対応できるよう取り組むため、確実に知識の定着を図ることができます。生徒は、楽しく授業に臨んでいました。

本時の演習項目がモニターに映し出されます。

教科書による英文音読を行っています。

モニターに映し出された英文が一瞬で消え、次の英文が浮かび上がります。

生徒はそのスピードに付いていけるよう、一生懸命に音読を行います。

教科書をとおして読んだ全英文をモニターに映し、全員で音読に取り組みます。

英文内の日本語を英語に変えながら、英文の完成を目指します。

本時の内容を確認するプリントに取り組んでいます。

7月2日(金) 川俣高等学校長

 

ものを見抜く力

正しい判断をする際に、情報を収集し活用することは重要です。でも、恐竜の身体が大きくなりすぎて、脳のコントロールが、身体の末端に及ばなくなったことが恐竜絶滅の原因とする説があるように、現代は情報の洪水におぼれつつあります。人の抱える情報が巨大化しすぎるなど、人智の及ばないレベルにまできており、その弊害も生じていることは、常に念頭に置く必要があります。そして、こうした時代であるからこそ、ものを見抜く正しい眼が求められています。

7月1日(木) 川俣高等学校長

かわまたアンスリウム

皆さんは、アンスリウムという花を知っているでしょうか。熱帯アメリカから西インド諸島にかけて約600種が分布する、ハート型の花と、一見するとプラスチックにも見える鮮やかな葉を特徴とする花です。赤や白、ピンクに緑など、その色も多くあります。意外にも直射日光に弱く葉焼けを起こしてしまう一方で、暗すぎると花が咲かないなど、育成には多くの工夫を要します。川俣町では、震災復興を目指し、近畿大学支援の下、平成25年から栽培を始め、令和元年には東京に出荷するまでになりました。本校では、1年生を対象に行われた、福島イノベーションコースト構想人材育成事業の一環として、6月16日(水)に、アンスリウム栽培農家さんを訪問し、その栽培の歴史や育成法等についてお話を伺ったところです。また、栽培農家さんのご厚意で、学校にアンスリウムをいただきました。ありがとうございます。南校舎正面玄関に飾らせていただいております。

色鮮やかなアンスリウムが皆さんをお迎えします。

 

多くの色合いを持つアンスリウムがあります。

 6月30日(水) 川俣高等学校長

校地内の植物や植木

本校の校地内には、たくさんの植物や植木が育っています。植物の手入れは主にボランティア委員会の生徒の皆さん、そして植木の手入れは用務員さんによりなされています。特に、用務員さんは、その美しさを保つよう、ほぼ毎日水をやったり、剪定(せんてい)作業に取り組んだりしていらっしゃいます。雨の降らない日でも面倒を見てもらえて、植物や植木は喜んでいるようにも見えます。きれいにカットされた髪型ならぬ枝型により、生き生きと映える緑は、全生徒と全教職員の心を和ませてくれます。生徒の皆さんが気持ちよく教育活動に取り組めるよう、皆で教育環境の整備をしています。

正面玄関前

     

正面玄関前

 

 

 

中庭東側

南校舎南東側

正面玄関東側



 

中庭中央

 

 

6月29日(火) 川俣高等学校長

変革の時代を生きる

今は大変革の時。こうした時代を生き、さらに、これからの時代を切り拓く川高生の皆さんは、どう生きるべきだと考えますか。平穏無事に生きたいと思うのは、人として当然の思いです。でも、こうした「ことなかれかし」と考える人が変革の時代を生きるには、どうしてもより多くの苦労を伴います。一方、そう考えない人であっても、こうした時代では、多少の苦労を避けることはできません。どちらにしても伴う苦労があるのであれば、川高生の皆さんには是非、積極果敢に時代と向き合い、自分としての解決策を見つけようとする、いわば「ことあれかし」派であってほしい、と思っています。

6月28日(月) 川俣高等学校長

家族とつながる

携帯電話のなかった、公衆電話が当たり前の頃の話です。身体の不調から長期入院をしていた、ある幼稚園児の気持ちを和ませようと、看護師さんがクイズを出したそうです。「ここに、500円玉、100円玉、そして10円玉があります。どれが一番大きなお金ですか。」その子は即座に、「10円玉」と答えます。何度確認しても答えは同じ。その理由を尋ねると、その子はこう答えます。「10円は、家に電話のできるお金。家と私をつないでくれる、私にとって一番大きな、一番大切なお金。」

6月25日(金) 川俣高等学校長

年間行事をとおして

本校では、年間に多くの学校行事を計画しています。その一つである校内球技大会が先週行われました。授業を受けている普段とは異なり、生徒の皆さんの元気に声を出し、活発に動き回る一面を目にした機会でもありました。教職員チームも長縄跳びに挑戦するなど、楽しい一時を過ごすことができました。そういえば、校長室に「咬啄同時(そったくどうじ)」という書が掲げられています。「教える側と教わる側の意思が通じ合うこと」を意味する言葉だそうです。球技大会をとおして、体育館内で咬啄同時を感ずる瞬間は多くあったように思っています。明日は、これも大切な学校行事である、川俣町産業課さん主催の進路講演会が開催されます。多くの企業の方が来校され、丁寧な説明を行っていただけますので、自らの進むべき道を考える貴重な機会としてください。

6月24日(木) 川俣高等学校長

 年間行事計画です



川俣高校の教育活動

川俣高校は現在、3年生の機械科1クラスと、1年生から3年生までの普通科3クラスの合計4クラスから成る学校です。特徴として、普通科の生徒が工業科目を選択し、実際に機械に触れることでものづくりをすることができます。また、商業科目を選択して、簿記検定や情報処理検定、電卓検定やワープロ検定、ビジネスコミュニケーション検定など、各種資格取得をすることもできます。家庭科に係る選択科目も用意しており、調理実習等を体験することもできます。一方、機械科の生徒は充実した設備を十分に活用するなどして、かなりのレベルの、本格的な実習に取り組んでいます。

本HPでは、これまでの川俣高生に対する思いに加えて、こうした魅力ある教育活動や取組について積極的に紹介してまいります。

6月23日(水) 川俣高等学校長

始 末

ものに溢れる現代であるからこそ、「もののある、ありがたみ」を再認識することは大切です。かつて、顔を洗うために用いた手ぬぐいは、古くなったら折りたたんで雑巾とし、その雑巾がボロボロになれば、風呂を焚(た)くときに薪と一緒に使用するなど、何度も丁寧に使いました。新品をおろすときが「始まり」、捨てるときが「終わり(末)」、よって「始末」と言います。新品をおろすときには、今それが本当に必要なのか、ちょっと立ち止まって考える必要がありそうです。

6月16日(水) 川俣高等学校長

夢を持たない人は、人生そのものが味気ないものとなります。一方で、夢を持っている人は光輝いています。でも、夢の実現のために人生を歩むのではありません。むしろ、夢が人生を形作るのです。素敵な夢を持っている人は、自然に素敵な人生を歩みます。川高生の皆さんの中にも、そうした人が多くいるはずです。

6月15日(火) 川俣高等学校長

今週の学校行事

〇登校指導 6月14日(月)から6月18日(金)まで、今年度2回目の登校指導が実施されます。

〇企業見学会 6月16日(水)に、1年生を対象とした企業見学会が実施されます。

〇球技大会

 6月18日(金)に、フットサルやドッジボール、バスケやバレーなど、各種競技による球技大会が開催されます。

 

今週は行事が盛り沢山です。

気温の高い日が続きますが、健康に気をつけながら、取り組んでほしいと思います。

6月14日(月) 川俣高等学校長

 

子を思う親の心

皆さんは読売巨人軍大江竜聖投手を知っているでしょうか。現在、一軍のリリーフとして活躍する左腕です。父である広志さんによれば、「とにかく強そうな名前」として竜、また、自分がファンである松田聖子さんから一字をいただいて付けた名前だそうです。広志さんが監督を務める少年野球チームの昼休みに、「お弁当を作ってもらえて、みんないいな。」と話す我が子の言葉を耳にし、広志さんは慣れない手つきで弁当作りを始めます。大江投手の大好物は、不格好で火が通っていないときもある手作りハンバーグです。また、広志さんは、仕事を休んでも学校行事には行こうと決め、そして最後までやり通す、とにかく熱血漢。我が子のユニフォームに背番号を縫い付けるのが楽しみにもなりました。甲子園を目指した東東京大会では準決勝で敗退し、その夢はかないませんでしたが、どの試合でも全力で応援する父の声は、登板する大江投手にもしっかりと届いていたそうです。ドラフトの前日に取材を受けた大江投手は、「ここまで成長できたのは父のおかげです。ありがとうございます。」と、父への感謝の言葉を述べています。テレビをとおして放映された、巨人から6位指名を受けた瞬間の広志さんの大泣きする姿、そしてその後、うれしそうに我が子と握手する姿が、今でも強く印象に残っています。

6月10日(木) 川俣高等学校長

インターハイ県大会を終えて

 本校生出場に係るインターハイ県大会が終了しました。全力で試合に臨んだ全選手に対して、敬意を表します。その中で、本大会で、選手全員の全国大会出場を決めたフェンシング部の皆さん、おめでとう。なお、8月10日までは、まだまだ十分すぎるくらいの時間があります。現在の競技レベルを自己最高のものと考えるには早すぎます。取り組む姿勢により、今の数段階のレベルアップを図ることは可能です。自らの課題を明確にして練習に励んでください。

 また、各種競技において、次の大会も間近に迫っています。一つの大会の終了は、次の大会への準備期間の始まりです。備えを十分に、そして、競技をできる喜びを胸に、また、同じ競技に関わる他校仲間への尊敬の念も忘れることなく、試合に臨んでください。

6月9日(水) 川俣高等学校長

世界海洋デー

海は、私たちの生活にとって、身近で欠かすことのできない存在です。平成4年に開催された地球サミットにおいて、カナダから提案されたことをきっかけとして、6月8日は世界海洋デーとされました。海の恵みに感謝するとともに、自然保護の観点からも、再度、海を意識する日としたいものです。加えて、世界は海でつながっています。世界規模の協力の在り方についても問われる日だと思います。

6月8日(火) 川俣高等学校長

アイデアが降りる瞬間

企業は新商品の開発を目指して、日々新しいアイデアを考案し、実現に向けた検討をしています。私たちが目にするものは、その数千分の一、数万分の一程度であり、せっかく出されたアイデアのほとんどは、日の目を見ることなく消えていきます。でも、思い付きではなく、毎日、本気で考えている人からのみ、ヒット商品は生まれます。USJ元CMOの森岡毅さんもその一人です。パークの新企画が浮かばずにいた森岡さんは、かなり追い込まれた状態を過ごします。でも、森岡さんによると、追い詰められて重圧がかかり続けると、自分でも意識していない遺伝子が覚醒するのだそうです。ある夜の夢で、ジェットコースターが逆再生されている映像を見た森岡さんが、それをヒントに開発したのが、「ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド~バックドロップ~」です(1日1話。読めば心が熱くなる365人の教科書 致知出版社より。一部抜粋一部訂正)。アイデアが降りるのは一瞬でも、そこに至るまでには、計り知れない努力があるんですね。

6月7日(月) 川俣高等学校長

ニーチェの言葉

哲学者ニーチェの言葉を、教育学者の斎藤孝先生が、「君は君の道をゆけ(ワニブックス)」の中で次のように紹介されています。

ニーチェ

人生の坂道を辛苦してのぼってゆく間は、めったに脚を折ることはない。しかし、甘く見て、安易な道を選び始めるときがいちばん危ない。

齋藤孝先生

人というものは、「ラクな道だな」「下り坂だから余裕」と思ったときこそ転ぶもの。坂道のスロープを上りながら転ぶ人はほとんどいません。要するに、「ラクだなあ」と思ったときこそが危険なのです。

齋藤孝先生は、本の中でこのようにまとめられるとともに、徒然草の「高名の木登り」にも通じることと指摘されています。

6月4日(金) 川俣高等学校長

人との関係性

生徒の皆さんは、人との関係性が大切であることは認識していることと思います。これまでは、生徒諸君と保護者の方との、いわば「タテの関係」、生徒諸君同士の「ヨコの関係」に目が向けられていましたが、これからは、生徒諸君と地域の方々、または生徒諸君と祖父母の方などとの関係、いわば「ナナメの関係」が重視されようとしています。これは、本校が今年より取り組んでいる、コミュニティ・スクール制度の趣旨とも一致するものです。豊かな経験を持つ様々な方々からのアドバイスを受けて、何かを考える際のチャンネルが増えるなど、生徒諸君にとって、今後の人生において宝物となれば幸いです。

6月3日(木) 川俣高等学校長

あくなき探究心

1969年7月に、アポロ11号が人類史上初めて月面着陸に成功します。宇宙飛行士の一人エドウィン・オルドリンさんが、地球帰還の直前に地球に向け送ったメッセージを紹介します。

「この飛行の成功は、乗組員3人の力でもなく、アメリカの力でもない。未知の世界の謎を解き明かそうとする、人類のあくなき探究心がさせたことである。」

人の持つ潜在能力は計り知れないのです。今週末に行われるインターハイ県大会においても、同じことが言えます。あくなき探究心の下、これからの練習に臨むことにより、これまでの数倍、数十倍の力を発揮することができます。そして、その瞬間はもちろん、試合中にもあります。大会に出場する全生徒諸君の健闘を祈ります。

6月2日(水) 川俣高等学校長

間もなく梅雨入り

梅雨の季節がやってきます。植物にとってはまさに恵みの雨です。今年4月から農園をお借りして、多種の野菜を育てています。家族皆で種を植え、水をやり、草を取るなど手入れをしたところ、約1か月半で青梗菜やホウレン草、白菜の収穫をすることができました。ミニトマトやトウモロコシ、大根やオクラも大きく育っています。自らの手により育てた野菜の味は格別です。野菜に限ることなく、皆さんは、家で何かを育てていますか。時間等制限はあろうかと思いますが、手塩にかけて育てる経験はなかなか貴重です。

6月1日(火) 川俣高等学校長

五月晴れ

今日はまさに五月晴れです。もともとは梅雨の晴れ間を意味していたとされるこの言葉は、今では、4月後半から5月にかけての晴天を指すようになりました。同じ言葉であっても、その意味する内容は時代とともに変化します。そして、その時代を形作るのは、その時を生きる人の意思です。これからの時代をより良きものとするよう、生徒の皆さんに大いに期待します。

5月31日(月) 川俣高等学校長

発 明

今の私たちの生活はその多くを、先人の発明によって支えられています。発明に至るまでには、数えきれないほどの失敗を繰り返したものと思います。発明王と称されるエジソンでも、1個の電球を発明するのに5千回の失敗をした、とされています。とはいえ、彼がその失敗について問われると、「私は、5千通りの、うまくいかない方法を発明したのだ。」と言い返したそうですが。

さて、私たちの周囲にあるものを、じっくりと眺めてみてください。その一つひとつから、先人の残した、その発明に係る思いを感じ取ることができるかもしれません。

5月27日(木) 川俣高等学校長

感 謝

自分でしようとしていることがうまくいかず、イライラすることは誰にでもあります。川高生の皆さんは、その気持ちを、たとえば、試合中であればチームメイトに、また、日常生活であれば保護者の方に向けたりしてはいませんか。そうする前に、してほしいことがあります。試合に臨むことができたのはどうしてか、また、日常生活を送ることができているのはなぜか、ということを考えてほしいのです。自ずと、癇癪(かんしゃく)の気持ちから、「く」の字が取れて、「感謝(かんしゃ)」の気持ちに変わります。

5月26日(水) 川俣高等学校長

発想の転換

キャッシュレスの時代において、カードの存在は日に日に高まっています。あるカード会社の社長さんは、次のように話しています(「1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書」より 一部抜粋 一部改訂)。

「一枚でも多くカードを獲得するにはどうすればいいか、と何につけても考えます。割引が付いているとか、ポイントに有効期限がない、といった要素が、お客様から見たお得な印象です。自分ならサインレスがいいな、と思いました。サインをするのが業界の常識。サインレス導入にあたり、弁護士からも「何を考えているんですか。」と言われましたが、お客様の利便性が図れるなら、それを阻止する規定や固定概念はすぐに壊してしまったほうがいい、と譲りませんでした。」

この話は、他者(他社)とは異なる点に着目することこそ大切であり、「目の前の非常識、将来の常識」という考え方を表しているんでしょうね。

5月25日(火) 川俣高等学校長

いつもと違う光景

目の前にあるものを常に正面からのみ見れば、その光景は常に同じです。たとえば、川高生の皆さんは、毎日登校して校門を抜けると、そこには南校舎が見えますね。両側に多くの花が植えられたプランターが置かれている、その階段の上には正面玄関があり、また、2階や3階には、自分のクラスの窓やベランダも見えます。でも、真東側から校舎を見ればどうでしょうか。真西側や真上からの光景もまた、正面からのそれとは異なります。多くの人が通る道の上のみを歩くと、真新しい発見はありません。一方で、誰も立ち寄ることのない場所にも、何かがあります。これは、ビジネスに関わる人が大切にしている考え方です。「人の行く裏に道あり花の山」です。

5月24日(月) 川俣高等学校長

次の一手

将棋の世界では、手詰まりになったときに、最も端にある歩を進めることがあるのだそうです。これを「手詰まりにはし(端)歩をつく」と言います。しかし、その一手から、これまで拮抗していた局面が一気に、自分にとって不利に展開する場合があります。棋士の中には、「最もよい選択としてはし(端)歩をさすのではなく、相手の出方を探るための、とりあえずのはし(端)歩は、相手に付け入るスキを与えるだけの愚手」と指摘する人もいます。勝負には、一息つく瞬間もない厳しい一面があることを再認識させられます。

5月21日(金) 川俣高等学校長

進路を決めるのは生徒の皆さん自身であっても、そこにたどり着くまでの保護者の皆さんや先生方、多くの友人による協力や支援があってこそ、その達成は図られます。だから、進路決定はチーム力による、とよく言われます。チーム力を発揮するには、チームワークを欠かすことはできません。言い換えれば、チームの和です。そういえば、ワカメやネギなどに味噌や酢、ゴマなどをまぜることで料理の風味は格段に高まりますが、これを「和(あ)えもの」と呼ぶのは、こうした由来からだと思います。「今日は楽しい一日だったなぁ。」と感じるのは、もしかしたら、「うまく和(あ)えることができた日」だったからかもしれませんね。

5月20日(木) 川俣高等学校長

ものの見方は人により

同じものを見ても、人の感じ方や思いは異なりますよね。俳句に関わる人の場合には、その感覚が一層顕著だそうです。川高生の皆さんは、テレビに出ている、俳人の夏井いつきさんを知っていますか。夏井さんが「1日1話、読めば心が熱くなる365人の仕事の教科書」の中で、次のように話をされています(一部抜粋 一部改訂)。

俳人の世界では生憎(あいにく)という言葉はありません。「きょうは生憎の雨で桜を見ることはできない」という一般的な感覚は、俳人にすれば、「これで雨の桜の句を詠める」と考えます。雲に隠れて仲秋(ちゅうしゅう)の名月が見えないときには「無月を楽しむ」、雨が降ったら「雨月を楽しむ」と捉えます。

なんとも前向きな考え方だとは思いませんか。夏井さんは、これまでマイナス思考であっても、俳句に出会うことで生き生きとした人生を送るようになった人もいる、とも述べています。

5月19日(水) 川俣高等学校長

新緑の季節

ふと窓の外の山並みに目を向けると、木々の強い緑色が目立つ季節となりました。まさに新緑の季節の到来です。

そういえば、(私だけかもしれませんが)通常5月に使うものと思っていた新緑という表現は、3月頃から6月頃にかけても使うのだそうです。ちなみに、新緑は初夏の季語です。

冬に枯れたかのように見えた木々は、この季節に葉を茂らすべく、着々と準備をしているんですね。自然の持つ奥深さに感心させられます。

 

5月18日(火) 川俣高等学校長

eネット安心講座

SNS等を安全・安心に有効活用できるよう、5月14日(金)に、本校ではeネット安心講座を開きました。本来であれば、講師の方を本校にお招きし実施するところですが、新型コロナウイルスに係る現状を考慮し、講師である武田幸彦氏のティーガイヤ東北支店(仙台)と本校各教室、校長室をオンラインでつなぎ、職員室には先生方が見ることのできるスクリーンを設置するなど工夫して行いました。警察に寄せられる、インターネット等をとおした誹謗中傷トラブルの相談件数は、平成27年以降、全国で毎年1万件以上あります。その増加要因の一つには、匿名性であることがよくあげられますが、名前の特定等はできるなど、匿名性は全く当てはまらない旨、話がなされました。また、こうしたトラブルに巻き込まれることのないよう、事前に行うべき予防策等の講義をいただくなど、今後の参考となる講座となりました。株式会社ティーガイヤは、ネット依存やネットいじめ、なりすましやネット詐欺など、今日の社会にある危険の実態周知を図り、トラブルの未然防止に努める「Eネットキャラバン」に取り組まれています。今後とも御指導や御助言等いただければ幸いです。

5月17日(月) 川俣高等学校長

本を手にして

川高生の皆さんは、月にどの程度、本を読みますか。

読者からは多くの知識を得ることができ、そのことにより間違いなく、私たちの生き方は豊かなものになります。

でも、本を手には取るものの、なかなか読み始める決心がつきにくい場合もあります。

こうした際には、じっくりとタイトルをながめてください。じっくりと本に付いている帯を見てみてください。

限られた言葉ではあるけれど、そこには、本の内容を強く意識した筆者の思いが込められています。

これから読み見始める本が、遠い存在ではなく近くに感じられるはずです。

 

5月14日(金) 川俣高等学校長

人生の岐路に立ち

人が生きるところ、多くの岐路(分かれ道)があります。そして、たとえば、数多くある高校の中から川俣高等学校を選んだことをはじめとして、目的地に向かう交通手段やお昼に食べるものなど、その岐路では何らかの決定が求められ、その決定は、読書などをとおして知り得たことやこれまでの経験、友人からのアドバイスなど、「そのときの自分が持つ一定のルール」に基づき行われます。

3年生となり自らの進路を決めるのは、まさに人生の大きな岐路に立つ瞬間と言えます。その決定をより良きものとするよう、前述した読書や経験、友人に加えて、学びの師である先生方に相談をしてみてください。先生方の体験の下、貴重な意見をいただくことができます。また、先生方の教えをとおして身に着く知識や学校で得た情報もまた、「一定のルール」を一層効果的なものとしてくれます。

本校は、在籍する皆さんの持つ進路目標の実現に向けて、全教職員が一丸となり取り組みます。進路に係る悩みがあれば、全教職員もまた、皆さんとともにその解決策を考えます。川高生の皆さんは、安心して進路実現に向けた学びを進めてください。

5月13日(木) 川俣高等学校長

計算視力

数学の学力向上につながるかどうかは定かではありませんが、少なくとも計算力向上を図る考え方について、奈良市内で大学進学塾を経営する鍵本聡さんは次のように指摘します(「ドラゴン桜公式副読本 16歳の教科書 なぜ学び、なにを学ぶのか」一部抜粋 一部改訂)。

「数学の中には計算視力というものがある、と思っています。簡単に言えば、問題文や計算式を目で解く力です。たとえば、35×18を筆算すれば、それなりに時間がかかりますが、35×18=35×(2×9)=(35×2)×9と考えれば、70×9なので、すぐに630とわかる。これは、「5の倍数×偶数のときには、偶数の2だけ先に掛ける」というパターンによります。また、228×5であれば、228×(10÷2)=(228÷2)×10として1140という答えを導く。これは、「×5のときには、先に2で割ってから10倍する」というパターンに基づきます。こうしたパターンを覚えれば覚えるほど、数字はいろんな表情を見せてくれるのです。」

川高生諸君も、独自の数字パターンを見つけ、計算視力王を目指してみませんか。

 

5月12日(水) 川俣高等学校長

生徒会総会

本日5月11日(火)6校時には、本校の生徒会総会が行われます。その際に話すことについて、少しだけ早くお知らせします。

随分と昔の話です。アメリカで作られた映画に次のようなものがありました。

主人公がある朝目覚めると、後ろ向きに歩いている人を目にします。その周囲にいる人も皆、後ろ向きに歩いています。車も、そして犬や猫までも後ろ向きに走っています。主人公は、ぼう然としたまま街角に立ち続けます。しかし、しばらくすると、主人公の顔から戸惑いの表情は消え去り、むしろ安心感を漂わせながら、彼もまた後ろ向きに歩き出す、といった内容の映画でした。人はすぐに周囲に流されてしまう、ということを表現したものと思います。確か、その映画のタイトルは、順応を意味するconformityを逆から書いたものであった、と記憶しています。

さて、生徒諸君は皆、生徒会に属しています。周囲の意見に耳を傾けながらも、自らが責任の下、しっかりと考えることをとおして、その組織を一層よりよいものとするよう願います。

 

5月11日(火) 川俣高等学校長

知的好奇心その2

「わかる」部分と、対極にある「わからない」部分を知ろうとすれば、それは、間違いなく大きな飛躍を呼び込む第一歩となります。普通、わからない自分の姿を他者に見られたくはありませんが、でも、自分で思っているほど、他者が物事をわかっている、とは限りません。であれば、ぜひ、勇気を持ってわからない自分をさらけ出し、同時に、わからない部分を知ろうとする気持ちを強く持ってもらいたいのです。1コマの授業で1つでも、今までに知らなかったことを知ることができたら、それはすばらしいこと、これは、令和3年度始業式時に、2年生と3年生に話したことでもあります。各授業で1つずつ、新たな知識を1日に6つも得ることができます。わかろうとする気持ちが大きければ大きいほど、知ったときの喜びもまた大きくなります。わかろうとする歩みを進めていく過程に、何の躊躇も必要としません。授業中に心の中で、「わかった」と叫ぶ川高生諸君に、大いに期待します。

 

5月7日(金) 川俣高等学校長

知的好奇心その1

人にとってわからないことは、いつの時代にも存在します。人は、その一つ一つをわかろうとし、日々努力し、研究もしたし、今もまた、そうしています。その過程では、多くの挫折や絶望感を多々味わったことは想像するに難くありませんが、それでも、そうした取組をあきらめることなく継続できたのは、わかることのすばらしさや面白さがあったからだろうし、また、わかる喜びを感じたい、と強く願っていたからに他ありません。知的好奇心(わかりたいと思う心)が、人間心理の中で最も崇高なものである、と言われる所以です。

4月29日(木) 川俣高等学校長

母の一言

生徒の皆さんは植物を育てた経験はありますか。毎日水をやり、季節により肥料を与え、常に太陽に当たるよう置き場所を考える。そうして大きく育った植物には愛情もわきます。一方で、家族の誰かにすべてを任せ、花が咲いた瞬間にだけ立ち会ったとしても、そう大きな感動を味わうことはできません。オークスグループ会長の奥野博さんは、母親の次の一言に大きな衝撃を受けたと述べています。(「1日1話、読めば熱くなる365人の仕事の教科書」致知出版社より 一部抜粋 一部改訂)

一度会社経営に失敗した奥野さんが帰省をした際に、母親から、「倒産したのは会社に愛情がなかったからだ。」と言われます。自分の作った会社に愛情のないはずはない、と考えていた奥野さんに、母親はさらにこう言います。「あんたはみんなにお金を用立ててもらって、やすやすと会社を作った。やすやすとできたものに愛情など持てるわけがない。母親が子どもを産むには、死ぬほどの苦しみがある。だから、子どもが可愛い。あんたは逆子で、私を一番苦しめた。だから、あんたが一番可愛い。」

4月28(水) 川俣高等学校長

 

 

呼吸を合わせる

良好な人間関係を築くのは誰でも苦労するものです。他者に合わせて自分を変える必要があるなど、何らかの制限が加わるわけですから当然です。一方で、様々な取組、たとえば部活動など、団体を基本とした活動が求められる場面も多くあります。生徒の皆さんの進路を決める取組もまた、団体戦と言われています。教育学者の斎藤孝先生が、「記憶を鍛える齋藤孝式「呼吸法」秀和システム」という本の中で書かれていることは、こうした取組を円滑にする一つのヒントになるかもしれません。

「学生時代、アルバイトで新聞のチラシの折り込み作業をやったことがありました。5人くらいで並び、流れ作業の要領で次々とチラシを挟み込んでいきます。流れ作業というと、いかにも退屈で、途中で飽きていやになりそうです。(でも)こうした作業は、5人なら5人の息を合わせないとうまくいきません。リズムがずれると、焦ったりイライラしたりで確かにいやになる。でも慣れてくると全員のリズムが合ってきて、一定のスピードができあがってきます。一種のゾーンに近い、特殊な集中状態に入るのです。真空状態で回したコマが回り続けるように、エネルギーがどこにも漏れず、いつまでも動き続けていられそうな気さえします。こうなると、ほんとうに気持ちがいい。作業はどんどん進むし、疲れることもありません。(一部省略)」

4月27日(火) 川俣高等学校長

相対性の魅力(ドラゴン桜公式副読本より)

理学博士の竹内薫さんは、「ドラゴン桜公式副読本 16歳の教科書 なぜ学び、なにを学ぶのか 講談社」の中で、子どもの理系離れについて次のように述べています。

「そもそも子どもは、宇宙とかブラックホールとかの話が大好きなんです。これは、無限というものに、得体の知れない好奇心を抱くからなんです。私も、子どもの頃、読んだ本に「宇宙飛行士がブラックホールに近づいていっても、無限の時間をかけないとブラックホールの穴の縁には到達しない」とあり、更にそのすぐ後に、「でも、その宇宙飛行士自身は、有限の時間の中で、穴に入っていく」と書いてあるのを見つけて、びっくりした。ふたつの相反する理屈を、どうやって両立させたらいいんだ、と悩みました。こうしたショートしちゃうような知的な状況、これが物理学の魅力です。ブラックホールの話を聞いて、「へぇ、そうなんだ。」で終わってしまったら、物理を面白いと思うきっかけはゼロです。(一部改訂)」

話の中身は少し難しいんだけれども、物理の持つ魅力が竹内薫さんを突き動かした、ということは十分に伝わります。

4月26日(月) 川俣高等学校長

目 標

ずっと先のことを見据えて目標を設定することは大切です。

ただし、遠すぎるために、その目標がかすんでしまうような場合もあります。

そうしたときには、あえて近い将来に目標を定めるのも意外に効果的です。これを、心理学では、スモールステップの原理といいます。

遠くを見ながら歩みを進めれば、道に迷うこともなく目的地にたどり着くことができる一方で、

近くを見ながら歩けば、いろいろなことがよく見え、多くの未知なることを発見できます。

たとえば、来週提出の課題を完璧なまでに完成させるとか、次の授業の予習を丁寧に行うなど、近い将来の目標設定も試みてください。

4月23日(金) 川俣高等学校長

10・10・10の法則(出典 1日1話、読めば熱くなる 365人の仕事の教科書 致知出版社 一部改訂)

帝国ホテルのサービスには、「100-1=0」の精神があるのだそうです。

素晴らしいサービスを展開したとしても、たった1つのミスが生じれば台無し、つまり0になってしまう、ということです。

仕事の厳しさを感じます。

また、「10・10・10の法則」もあります。

信用を築くには10年かかる一方で、その信用を失うのはたった10秒、そして、信用を再構築するのにまた10年かかる、というものです。

物事は人の想定通りにはいかず、よってミスも生じます。その際には、「お詫びとお礼は1秒でも早く」をモットーにしているのだそうです。

私たちの生活にも活かすことのできる考えだと思います。

4月22日(木) 川俣高等学校長.

 

基礎・基本

生徒の皆さんは、基礎・基本を軽視してはいませんか。

写真家の土門拳さんは、写真を撮るときに大切なこととして、まずはレンズのキャップを取ること、と話しています。キャップを取らなければ写真撮影の作業は始まらない、という基本中の基本、当たり前のことではあるけれど、

一方で、私たちは日常において、基礎・基本を無視して、キャップを取ることなくシャッターを押すようなことを

やってはいないでしょうか。

そういえば、千利休もまた、同様に弟子に対して、「稽古とは、一から始めて十を知り、十から返る、もとのその一」

と話しています。

4月21日(水) 川俣高等学校長

夢を磨く、笑顔を作る

今から随分と昔の話です。

経営の神様と呼ばれた、松下グループ創業者の松下幸之助さんが、工場でつまらなそうな顔をして電球を磨いている従業員に、

「あんた、いい仕事をしているよ。」と声をかけたそうです。

「毎日、同じように電球を磨くだけの退屈な仕事ですよ。」と答える従業員に、彼はこう言います。

「本を読んで勉強している子どもたちがいる。でも、夜になると、字が読めなくなってしまう。そこで、あんたの磨いた電球をつけるんや。子どもたちは、夜でも読みたい本を読めるようになる。あんたの磨いているのは電球じゃない。子どもたちの夢を磨いているんや。怖くて通れなかった暗い夜道に、あんたの磨いた電球がついたら、人は安心して、笑顔で通れるようになる。もの作りは、ものを作ったらあかん。その先にある笑顔を作るんや。」

まさに、夢と笑顔に満ちた話です。

4月20日(火) 川俣高等学校長

 

今を大切に考える

生徒の皆さんの中には、すぐにでも取り組まなければならないことを目の前にして、どうしても気乗りがしない、と感じた経験があるかもしれません。これは、心ここに在らず、の状態に陥っているわけです。

心をここに置く、言い換えれば、今を大切に考えることは、学習にも、また、人生においても必要なことです。

孔子は、「心ここに在らざれば、視えども見えず、聴けども聞こえず、食えどもその味を知らず」と話しています。

今を大切に考える姿勢こそ、人生を豊かにしてくれる秘訣の一つです。

4月19日(月) 川俣高等学校長