令和4年度

執 着

学術的目的でチンパンジーを捕獲する際に、アフリカではウロ(空洞になっている筒のようなもの)の中に、バナナや木の実などチンパンジーの好物を入れておくのだそうです。チンパンジーは獲物を見つけると、穴の中に手を入れます。その穴は、ものを手でつかんだときには、引っ張り出せない程度の大きさになっています。手を放せば逃げることが可能なのに、チンパンジーの習性から一度つかんだものは放そうとはせず、結果として生け捕りにされてしまうのだそうです。こうしたことは、チンパンジーに限ったことではないようにも思えます。過度の執着から、大きな損失を生むことは、周囲にも多々ありそうです。時には、思い切って執着から解き放たれ、自由になる瞬間があってもいいのかもしれません。

7月12日(月) 川俣校長学校長