令和4年度

呼吸を合わせる

良好な人間関係を築くのは誰でも苦労するものです。他者に合わせて自分を変える必要があるなど、何らかの制限が加わるわけですから当然です。一方で、様々な取組、たとえば部活動など、団体を基本とした活動が求められる場面も多くあります。生徒の皆さんの進路を決める取組もまた、団体戦と言われています。教育学者の斎藤孝先生が、「記憶を鍛える齋藤孝式「呼吸法」秀和システム」という本の中で書かれていることは、こうした取組を円滑にする一つのヒントになるかもしれません。

「学生時代、アルバイトで新聞のチラシの折り込み作業をやったことがありました。5人くらいで並び、流れ作業の要領で次々とチラシを挟み込んでいきます。流れ作業というと、いかにも退屈で、途中で飽きていやになりそうです。(でも)こうした作業は、5人なら5人の息を合わせないとうまくいきません。リズムがずれると、焦ったりイライラしたりで確かにいやになる。でも慣れてくると全員のリズムが合ってきて、一定のスピードができあがってきます。一種のゾーンに近い、特殊な集中状態に入るのです。真空状態で回したコマが回り続けるように、エネルギーがどこにも漏れず、いつまでも動き続けていられそうな気さえします。こうなると、ほんとうに気持ちがいい。作業はどんどん進むし、疲れることもありません。(一部省略)」

4月27日(火) 川俣高等学校長