あいさつ

探究・体験に関する学びを重視する普通科校として、川俣高等学校は、令和5年度も歩みを進めてまいります。
課題研究活動、地域探究活動、大学教授等による講義・演習、地元企業訪問など、様々な角度からの取組実践を図る川俣高等学校、その新たな歴史を作るのは、本校在校生、そして中学生や小学生の皆さんです。
本校は、地域の方々と手を取り合い、地域とともに歩む学校としての強い自覚の下、以下による取組をとおして、生徒の皆さんの興味や関心を高め、進路希望の実現を図ります。

〇ICT機器を多く活用した授業により、生徒の皆さんの理解の深化を図ります。
〇地域の方々のところに赴き、また、地域の方々を本校にお招きし指導を受けるなどして、地域の方々との交流を深め、地域社会についてよく知り、地域に貢献する意識の一層の向上を図ります。
〇探究活動の一層の充実を図ることにより、人と社会の在り方や、今後自らが取り組むべきことについて考え、ものごとを深く捉えることのできる力の育成を図ります。
〇工業の選択科目では、実際に機械に触れ、世界に一つだけのものづくり体験ができます。
〇商業の選択科目では、プレゼンテーション能力や社会に適応できる能力の一層の向上を図ることに加え、数多くの 資格取得ができます。
〇放課後に開放される体育館や筋力トレーニング室、教室等を活用して、体力向上を図ったり、文化的活動を含め、自ら計画した様々な活動に取り組むことができます。
〇充実した授業に加え、課外授業や個別添削指導等をとおして、大学進学に備えることができます。
〇大学や専門学校など、進学に係る情報を随時提供します。
〇地元企業との連携により、最新の就職情報を提供します。
〇川俣町、近畿大学や立命館大学、地元企業や農家の方々との連携をとおして、各種講義を受けたり、様々なプロジェクトを体験できます。
〇落ち着いた環境の下、多くの蔵書を備えた図書館において読書をすることができます。

本校では、生徒の皆さんの人材育成を、人は財産、との考えの下、人財育成と考えております。
また、本校では、教職員も学びます。
そして、丁寧な指導を行い、生徒の皆さんの持つ進路目標達成を支援してまいります。
令和5年度も、川俣高等学校をよろしくお願いいたします。
                                   川俣高等学校長 半谷 佳之



令和4年度

校長より

ストレス

南米エクアドルのビルカバンバは長寿村として知られています。出生時の記録が曖昧な点もあり、正確な年齢とは言えない側面もあるようですが、100歳を有に越えていると思われる多くの方々が、元気に畑仕事をされています。高地にあるため空気が澄んでいることに加え、緑も豊富なため、元気が維持されるとも言われています。また、フェステとシエステと呼ぶ、お祭りと昼寝を好む方々のようで、聞いただけでも健康に良さそうです。一方で、長寿の秘訣として台風の存在を挙げる研究者もいます。台風による気圧の変化が身体に与える影響、及び台風に備える心理的影響は大きいとの指摘をよく耳にしますが、赤道付近で発生する台風はまだ小さいため、そうした影響も少なく、ビルカバンバの方々がストレスを感じることはない、というのがその根拠です。ストレスとうまく付き合う方法がわかれば、今の生活を一層豊かなものにできそうです。

3月19日(火) 川俣高等学校長

ル ビ

読みづらい漢字につけるフリガナをルビと呼びます。でも、そもそもルビとは何でしょうか。今では文字の大きさを何ポイントとしていますが、かつて活字の大きさを表す単位がなかった頃、イギリスでは、最も小さな活字をダイヤモンド、そしてパール、ルビー、エメラルドというように、宝石の名前を使って表記したそうです。一方、日本では新聞等に活用される大きさの文字を5号として、順次番号を付けていました。フリガナを付けるのに最も適していた7号活字は、ちょうどルビー活字と大きさが同じであったため、短縮してルビと呼ばれるようになった、とのことです。私たちの周囲にある言葉には、それぞれ確かな由来があります。その歴史を紐解くと、興味深い時代背景など多くのことを学ぶことができます。

3月18日(月) 川俣高等学校長

石を敷いた畑

中国甘粛省ではかつて、畑に平たな石を置いていたそうです。日本では石一つも見当たらない状態の畑に、拳程度のかなりの数の黒石があるため、日本人からみると大いに違和感を感じますが、もちろん、それには理由があります。石と石の間には豆がまいてあります。奥地にあるこの地域では、朝晩は急激に冷え込み、畑の表面が凍るほどになるので、日中に温められた石で土を保温する効果があるのだそうです。また、黒い石を活用しているのは、白と比較して熱を吸う率が高いからだそうです。加えて、石は土中の水分蒸発を妨げる働きも兼ねているといいますから、この地域にとっては必須アイテムであったわけです。自分の知識や経験だけを基準にして物事を捉えると、偏りが生じる場合もあります。一旦は固定観念を仕舞い込み、まずは純粋な目で見ようと心がける必要がありそうです。

3月15日(金) 川俣高等学校長

回る家

住宅展示場に、ゆっくりと回る家を出品した会社があったそうです。1時間かけて1周するその家は、腰を痛めて寝たきりの時を過ごした父親に、周囲の景色を楽しんでほしい、との考案者の思いから作られたものでした。家の下部にベアリングを取り付け、嚙み合わせによりモーターで回すことで消音を図ることができ、揺れも感じることがなくなりました。給配水管は中央に寄せ、電気配線をやめてパンタグラフ式にするなど工夫して完成に至ります。四季に合わせて変化を楽しむこともでき、家の向きを変えることができるので家相を気にすることもないなどメリットもありましたが、かかる費用が高く売れなかったようです。でも、発想の豊かさは高い評価を受けるとともに、親思いの気持ちはしっかりと周囲にも伝わったようです。

3月14日(木) 川俣高等学校長

言葉を発する

言葉は常に私たちの身近にあります。周囲の人からかけられる言葉により、励まされることが多くあります。一方で、言葉により、思いもかけず人を傷つけることもあります。言葉の遣い方には難しい面があることは事実です。でも、絵を描く方も、音楽を奏でる方も、また、作家として作品を書く方も、自らの正直な思い、言い換えれば、自らの言葉を発しようとする強い意識をお持ちであることも事実です。H・E・ノサックも、『言葉とは、あらゆる創造の動機です。これこそ、作品にいつまでも生命を与える動機です。』と述べています。生徒の皆さん、選択する言葉の判断基準は皆さんの心にあります。言葉という存在と正面から向き合いながら、自らの存在を再認識するよう努めるのも、有意義な日々となります。

3月13日(水) 川俣高等学校長