令和4年度

校長より

まとめ

アップルの創業者スティーブ・ジョブズ氏は、ある企業が示した100ページに及ぶ契約書をゴミ箱に放り投げ、「私と話をしたいなら、数枚にまとめよ。」と言ったことがあるそうです。また、GEの売上を伸ばしたジャック・ウェルチ氏は、社内から上がる厚い企画書を指して、「本にするな。」と指示したそうです。共通に言えるのは、厚い書類は自分の思考を整理し切れていない表れであり不要、との信念に基づくものです。例えばA4版1枚の資料であれば、簡潔に要領よくまとめられているため、読む側の時間も奪うことなく、結果としてスピーディーな判断を可能とします。生徒の皆さんが学習する際に、教科書やテキストの内容をノートにまとめていたら、ただもう1冊、同じ教科書やテキストができあがったにすぎない、ということはありませんか。

9月15日(木) 川俣高等学校長

コメントから見える人間性

かつて知事選に臨んでいた俳優のアーノルド・シュワルツェネッガー氏が、遊説先で観衆から生卵をぶつけられる事件がありました。彼は相手に怒りを向けるのではなく、こう切り返します。「奴にはベーコンの貸しだ」。さて、生徒の皆さんは、このコメントの意味がわかりますか。「生卵をぶつけるなら、ついでにベーコンもよこせば、ベーコンエッグを作れるじゃないか、ベーコンが足りないじゃないか」という、彼独特のジョークです。こうしたジョークが好まれるアメリカとはいえ、普通ならキレることも考えられる緊張した場面で、うまいことを言うものだと感心させられます。では、改めて生徒の皆さんに問います。皆さんがアーノルド・シュワルツェネッガー氏の立場であれば、どう切り返しますか。「投げるのは、ゆで卵にしてくれ。」「塩コショウはないのか。」などでしょうか。「温泉卵もいいぞ。」も、あるかもしれませんね。こうした発言ができるのは、緊張状態の中にあっても、セルフコントロールができている証でもあります。気の利いたコメントは、周囲を和ませるなど、人間関係を円滑にしてくれます。

9月14日(水) 川俣高等学校長

無駄の減らし方

日常的な無駄遣いを減らすには、何か好きなものに置き換えて考える方法があります。パッと財布を開けてしまいそうになるときに、このお金があれば自分の好きな本を1冊購入できる、など、好きなものを思い出すワンクッションを作り出すのです。こうした取組は、時間に関しても同じことが言えます。ぼんやりと過ごす時間を、自分の好きなことに費やせる時間に変換するよう心がけることで、高い満足感も得ることができます。そして自然に、自分の周囲から無駄な存在がどんどん減っている、ということに気づくはずです。自分の好きなものへの変換、生徒の皆さんも、今日から試してみませんか。

9月13日(火) 川俣高等学校長

聞く聴く訊く

生徒の皆さんが会社に就職し、上司から、「仕事について何か問題はありますか。」と尋ねられたとします。皆さんなら、どう答えるでしょうか。大抵の場合、「順調です。特に問題はありません。」との回答が多くなされるそうです。でも、その上司が、「どんな小さなことでも構いませんので、問題や課題などありませんか。」と、さらに尋ねると、「少しだけあります。」と、いつくかの問題や課題が挙げられ、またさらに、「たとえば、こんな問題や課題、無駄はありませんか。」と具体的に尋ねられると、一般的には、かなり多くの意見が出されるのだそうです。結果として、100を超える問題等が挙げられることもある、とのことです。さて、最初の問いかけで全くなかったはずの問題が、実は100もあったというこの事実が、会社にとってみれば、まさに問題です。自らの取り組むことに隠されている問題を明確にしておくためにも、周囲の人やその様子、自分のことをよく「見る観る診る」とともに、周囲の人に対して「聞く聴く訊く」など、複数回にわたる問いかけをする姿勢を持つことは大切です。

9月12日(月) 川俣高等学校長

エリザベス女王

本日未明に、イギリスのエリザベス女王がお亡くなりになりました。本HPの投稿(5月9日)を再掲するとともに、エリザベス女王のご冥福をお祈りいたします。

イギリスで、多くの国賓の方々をもてなす晩餐会が開かれたときの話です。手を洗うために出された水を、ある国賓の方が思わず飲んでしまったそうです。政府要人の方々から失笑がもれたそのとき、その方が間違って水を飲まれたことに気づいたエリザベス女王は、ごく自然に、自分の前に置かれた水をお飲みになったそうです。相手の立場を思う振舞いや心配りは、日頃の意識から生じます。私たちも見習うべきことが多くありそうです。

9月9日(金) 川俣高等学校長