令和4年度

2022年8月の記事一覧

目標達成

こうなればいい、というイメージを強く持ったほうがその達成率は高まる、と言われています。ここに、アファーメーションと呼ばれる方法を紹介します。紙を1枚用意して、まず最初に、自分の達成したい目標とその期限、内容を書きます。次に、その目標が達成されたときの自分の気持ちを書きます。そして、目標達成のための計画を具体的に書き込んでいきます。最後に、もう一度、最初に書いた自分の達成したい目標とその期限、内容を書けば出来上がりです。注意事項としては、「~しない」という否定形は使わず、すべて肯定形で書くこと、主語は「私」とすること、目標は「~に取り組んでいる」というように現在進行形で書くこと、が挙げられます。この紙を見える場所に貼り、毎日声に出して読むことで、意欲と自信が高まります。チームとしての目標であれば、チーム全体の士気や一体感が飛躍的に高まることになります。生徒の皆さんも是非試してみてください。

8月31日(水) 川俣高等学校長

気間理

先週金曜日に、本校2学期の始業式が行われました。その際に話したことを投稿いたします。

柔道や剣道で言えばきちんと身構えること、相撲で言えば両手をつくことなど、日本に古くからある競技には、立会いという「きまり」があることを知っているでしょうか。ただし、「きまり」といっても、規則に従うことだけを意味するものではなく、次に述べる言葉から取ってそう呼んでいます。まず、きまりの「き(気)」とは、気合や気迫を指します。試合に臨む際の集中力を高める意味においても非常に重要です。次に、「ま(間)」とは、間合いを指します。剣道に例えれば、相手に近づきすぎれば打ち込まれることもあり、また、離れすぎては竹刀は届きません。自分の実力を十分に発揮するためにも、自分を客観視しながら、相手との適切な距離感を取ることが求められます。最後に、「り(理)」とは、道理を指します。物事をきちんとあるべきように整え、理にかなった方法で取り組むことが、周囲の皆さんの理解にもつながり、また、周囲の皆さんから、多くの協力をしていただけることにもなります。これら3つの気間理(きまり)は、学校生活にも大いに応用できます。今年本校では、公開文化祭が予定されています。川高ここにあり、と示す、大きな、そして大切な文化祭です。気間理の精神により、本気度の高い気持ちを込めながら準備に取り組む中で、時には作品を客観的に眺め、道理にかなった方法により完成を目指してほしいと思います。高校生として、豊かな表現力による発表を行うことで、関係する方々から高い評価をいただくことができるはずです。そして、来校される皆さんに大きな感動を与えることのできる「かえで祭」になると思っています。一糸乱れぬ川高魂の下、生徒の皆さんが取り組むことを楽しみにしています。

8月30日(火) 川俣高等学校長

 

タイムプレッシャー

時間に制約を設けることはあせりにもつながりますが、一方で、思わぬ力も生み出します。皆さんはウルトラマンを知っていると思います。正義のヒーローの代名詞ともなったウルトラマンは、なぜあんなに強いのでしょうか。その秘訣の一つは、3分しか闘えないことにもあります。活動できる3分が迫ると、胸のカラータイマーは点滅します。必ず3分以内に怪獣を倒さなければならない、その緊張感が強さを生むのです。このタイムプレッシャーとも言える時間の制約は、生徒の皆さんが日常取り組むことにも応用できます。普通なら100分でやっていることを80分で終わらせると周囲に宣言し、時計で計測するなど自分に負荷を与えると、大抵、80分でできるのです。60分に時間設定をしたとしても、これも実現可能です。モチベーションは、タイムプレッシャーをかけることで高まります。それは、ドーパミンの一層の分泌も促します。時間の制約を設けるウルトラマン取組術の有効活用は、とても楽しそうです。

8月29日(月) 川俣高等学校長 

過去の自分との比較

自分を知ることは大切です。心理学でも、メタ認知として重要とされています。そして、人はよく他者比較をして、自分をもっと深く知ろうとします。でも、このことで、相手に激しい妬みを感じたり、強い自己否定を起こすこともあるなど、他者と自分との比較には危険も伴います。では、私たちは、何と比較をすればよいのでしょうか。少しだけ背伸びをすれば届くかもしれない、憧れのような存在が近くにいればよいのですが、もしもそうした対象が見当たらない場合には、過去の自分との比較をすればよいのです。今の自分を見て、過去より明らかによくなっていれば上出来です。わずかな進歩であったとしても、それもまた素晴らしいことです。誰を傷つけることもなく、誰に傷つけられることもなく、己を知ることができ、そして、結果として、自分の成長につながります。

8月26日(金) 川俣高等学校長

脳内物質

幸福に関するドーパミンや恐怖・不安に関するノルアドレナリン、興奮や怒りに関するアドレナリン、落ち着きに係るセロトニンや眠気に係るメラトニン、ひらめきに関するアセチルコリンや多幸感に関するエンドルフィンなど、人には7つの脳内物質があると言われています。そして、ドーパミンが出過ぎるとセロトニンが抑制的に働くなど、それぞれが重要な役割を担っています。どれか一つが突出していても有効とは言えません。大切なのは、それら7つのバランスです。不規則な生活や偏った食事、ストレスはそのバランスを崩し、私たちの生活に大きな影響を及ぼします。7つの脳内物質の効果的な活用を図るためにも、基本的生活習慣の確立とその実践が必要です。

8月25日(木) 川俣高等学校長

いつから学ぶか

知識を持っていると一層楽しくなる、と言われています。でも、今から学ぶにはもう遅い、という声もよく耳にします。学びの旬はいつなのでしょうか。学びの気持ちが高まる時期、そのときこそ学び時です。年齢を重ね過ぎたからもう遅い、ということもありません。むしろ、大人になってからのほうが、より効率よく学べる材料を手にしています。大人の学びは、回り道をすることなく、大事なことだけを覚えることができます。たとえば、様々な日本語の語彙やコミュニケーション手段等を知ったうえで学んだほうが、外国語の習得は格段に速くなります。高校生の皆さんならもちろんのこと、学びについて遅すぎることはありません。もしかすると今日が、生徒の皆さんにとって学び時かもしれません。

8月24日(水) 川俣高等学校長

努力の継続

昨日の自分よりも少しだけ成長できたかな、と感じるうれしい瞬間は、誰でも経験したことがあると思います。そうした実感を持てるからこそ、人は前に進んでいくことができます。純粋に自分の目的に向かって進んでいるので、自分の経歴や他者からの評価は気になりません。自分の努力にすべてがかかっているからこそ、他者や環境に左右されることがなくなります。結果として、自分の限界を決めるのは自分だ、という、当たり前のことに気づくのです。そう、生徒の皆さんの限界を決めることができるのは、生徒の皆さん自身です。

8月23日(火) 川俣高等学校長

エピソード記憶

人の持つ記憶には、長期記憶と短期記憶があります。自分で疑似体験するようなイメージについては、長期記憶の中でも、特にエピソード記憶と呼ばれています。教科書の内容は忘れがちでも、自分に起きた出来事はめったに忘れることはありません。まさにこれこそ、エピソード記憶の強みです。ということは、例えば教科書を読む際にも、そこに書かれている人の気持ちになって、その世界に入り込みながら読むことで、記憶の度合いは一層増します。これは、学習以外にも応用できます。仕事でプレゼンテーションや会議がある場合には、参加する方々と自分が話している想像の世界に入り込み、「相手はどんな反応を示すだろうか。」など、想定できるシーンを前もって数多くイメージすることで、当日のコミュニケーションは良質になることが証明されています。意外に難しいことではないので、是非、生徒の皆さんも試してみてください。

8月19日(金) 川俣高等学校長

全体像の把握

学習には計画性が必要です。でも、先が見通せずに、途中で挫折してしまうこともあります。詳細な説明がなされている厚いテキストは深く知る上では有効ですが、一方で、やや薄めのテキストを使って、学習の全体像、言い換えれば、学習内容の骨格を短期間で把握してしまうのも一つの方法です。テキストの作成者ではなく、自分で学習ロードマップの作成を手掛けるのです。学ぶべき骨格を先に把握できれば、あとで、じっくりと身(深い知識)をつけていく作業に取り組むことができます。そのためにも、生徒の皆さんには、教科書やテキストの目次の有効活用をお薦めします。

8月18日(木) 川俣高等学校長

スギてはいませんか?

人は多くの人との関係により生活をしています。だからどうしても、人に気を使いすぎたり、人に合わせすぎたり、または、人の評価を気にしすぎたりするなど、多くの「スギ」を抱え込むこととなります。そして、その「スギ」は大抵、息苦しさを招きます。スギだらけの心に必要とされるもの、それは、車のハンドルがそうであるように「あそび」の感覚です。「スギ」ではなく、敢えて心に「スキ」を作るのです。「スキ」のある状態は、人の心を穏やかにし、創造性豊かな発想を可能とします。そして、その「スキ」からある対象を好きになることで、興味や関心の領域を広げたり、その深化を図ったりすることができます。

8月17日(水) 川俣高等学校長

整 頓

この投稿でも何度か整理整頓について話をしました。正確には、整理とは、いらないものを処分することを言い、整頓とは、すぐに取り出せる状態にすることを指します。重要性は整頓にあります。でも、生徒の皆さんは、学習活動の際に、何かを探すことに多くの時間を費やしてはいませんか。アメリカのビジネスマンに関する調査によれば、平均的なビジネスマンは、年間の総労働時間の約30日分にあたる時間を何かを探すことに費やしている、というデータがあり、今もその意識改革に取り組んでいます。仕事(学習)効率を上げる最善の策こそ、整頓です。生徒の皆さんも、ものを探すことは学習活動の一環である、という意識の変革を図ってみませんか。

さて、本投稿はしばらくの間お休みをし、再開は8月17日(水)を予定しております。その際には、またよろしくお願いいたします。

8月2日(火) 川俣高等学校長

詩人である坂村真民氏の詩に、「光る、光る、すべては光る。光らぬものはひとつとしてない。みずから光らないものは、他から光を受けて光る。」というものがあります。一部のもののみが光るのではなく、すべての存在が光り輝くことができる、と訴えています。そういえば、美術家の清川泰次氏も、「どんな人でも、他の人にはない良さを持って生まれてくる。自分の中の宝石は自分でしか磨けないが、それを磨くことが生き甲斐というものである。たとえそのとき、自分の中に宝石が見つからず石であったとしても、その石を、どこにもない美しい石に磨き上げることだ。磨かぬダイヤモンドよりも、どれほど美しいことか。」と話されていました。私たちは、あるときは、自ら光を放つことで周囲を明るくし、一方で、あるときには、周囲の人の放つ光によって助けられたりしているのかもしれませんね。

8月1日(月) 川俣高等学校長