令和4年度

校長より

私たちの生活に必要な水は、空からもたらされます。雨の素となる大気中の水蒸気は、地球全体に平均25ミリの雨を降らす量に相当します。年間では1000ミリの雨が降ることを考えると、365日の中で40回の循環をしていることがわかります。地球に降った雨は、9日経つと再び水蒸気となり、空に戻るわけです。この9日という短いサイクルの中で、水は、私たちの生活に潤いを与えてくれているのです。家庭にある水道も、空の水道も、どちらも大切にしたいものです。

6月6日(月) 川俣高等学校長

進 化

人工知能やコンピュータの進化は目覚ましく、特定分野では、人の能力を超えるレベルにまで達しています。では、人はいつの日か、自らが作り出した人工知能やコンピュータに凌駕されてしまうのでしょうか。そんなことはないと思います。ノーベル賞受賞者の江崎玲於奈博士は、「人には欠点があるものの、むしろ欠点があるからこそ、人は進化する。」と話されています。欠点による不安定さの中にこそ、創造性が秘められています。自分の気づかない欠点を指摘されたとしても、下を向く必要はありません。まだまだ伸びる可能性がある、ということがわかったのですから。

6月3日(金) 川俣高等学校長

自らを磨く

学校を巣立ち、社会に身を置くときには、自らの判断力やコミュニケーション能力が求められます。生徒の皆さんは、学習活動をとおして、そうした自己力を高めています。やるべきことを疎かにして、自己力育成を図ることはできません。また、自己力のないまま仕事に向き合うことは、仕事に対しても失礼なことです。一方で、陽明学には事上磨練(じじょうまれん)という言葉があるように、仕事は、自らを一層磨く場でもあります。自己力が高まれば、毎日の仕事を、心の底から楽しむことができます。

6月2日(木) 川俣高等学校長

庭 訓

孔子の子である伯魚が庭に佇む孔子の前を通ると、孔子は、「詩を学んだか。詩を学ばねば、人と立派に処することはできない。」と話しかけます。またあるとき、庭にいる孔子の前を通ると、孔子は伯魚に対して、「礼を学んだか。礼を学ばねば、立派に世に処することはできない。」と話されます。庭での教えから、庭訓(ていきん)という言葉が生まれました。「君子はその子を遠ざくる」とあるように、本来、君子は我が子を遠ざけるものですが、庭訓から、孔子の、父としての一端を垣間見ることができます。親であれば、我が子を思います。発する言葉が少なくても、その中には、深い思いが込められています。生徒の皆さんは、保護者の方の話に耳を傾けていますか。

6月1日(水) 川俣高等学校長

有言実行

自分に課したことを実行できず、悔しい思いをした経験は誰にでもあると思います。実行を図る上で大切なのは、心の中で目標を唱える以上に、敢えて口に出して言うことです。未来に向かって言葉を投げかけることにより、自分にハードルを設けることができます。周囲の人にも、そのハードルは見えています。ハードルを飛ぶことができるよう、何度でもチャレンジする姿を目にすれば、きっと、周囲の人も応援してくれるはずです。未来の自分に期待することをやめないでほしいのです。

5月31日(火) 川俣高等学校長