令和4年度

校長より

間違いの未然防止

やらなくてはならないことを先延ばしして、期限直前にまとめて行ったことで、多くのミスが生じた経験は誰にでもあると思います。会社などにおいてもそうです。締結日が近づいてから多くの承認依頼書等を提出すると、ミスや行き違いが生じ、そのことでやり直しに多くの時間を要することとなります。期限間近にまとめて行う大ロット生産よりも、多少の時間はかかるものの、早期から取り組む一個流し(小ロット生産)の方がミスの未然防止には効果的です。まるで川が淀みなくサラサラと流れていくように、滞りなく仕事が流れていくイメージですね。生徒の皆さんの場合は、試験に臨む際の学習の進め方に当てはまります。大切なのは、言うまでもなく計画性です。間もなくやってくる期末考査に向けて、小ロット生産の実行を図っていますか。

6月15日(水) 川俣高等学校長

兄 弟

孔子の弟子である司馬牛が、兄弟のいないことを寂しく感じる、と話すと、同じく弟子の子夏が孔子の言葉として、「己を慎み深くして過失のないように努め、人との交際はうやうやしい態度で礼儀正しくするならば、天下の人々も、兄弟同様に温かく接してくれる。」と伝えます。「四海皆兄弟(けいてい)たり」という言葉が、まさにそれにあたります。今から2500年前の、孔子と弟子との問答などを集めた論語には、現代にも通じる、人や社会の在り方についての記述が多くあります。

6月14日(火) 川俣高等学校長

達成感

ルートヴィッヒ・ヴァン・ベートーベンは、ドイツのボンで生まれます。宮廷オルガニストの指導を受け、技術力の向上とともに、彼の中に、自由と平和の考えが築かれていきます。26歳の頃に耳の病に罹りますが、第五交響曲「運命」など、代表的な作品の多くは、この後に生み出されたものです。最後の交響曲となる第九交響曲「合唱付き」では、その素晴らしさから、演奏後に、満員の観客から嵐のような賞賛の拍手が寄せられ、歌手ウンガーとともにその成功を喜び合った、とされています。彼の人生に係る達成感の大きさ、そして満足感の深さは相当のものであった、と推察されます。「諸君、ご喝采を。劇は終わったよ。」との言葉を残し、彼は永遠の眠りにつきます。

6月10日(金) 川俣高等学校長

思いの深さ

長野県伊那群中川村出身の写真家宮崎学さんは、中学校を卒業するとカメラ工場に就職し、カメラの交換レンズの組立て作業を担当します。毎日、ベルトコンベアで流れてくる磨き上げられたレンズを見ているうちに、子どもの頃に地元の自然の中で見た、動物の眼の輝きを思い出すようになります。カメラで生き生きとした動物を撮ってみたい、特に、幻と言われるニホンカモシカに接してみたい、と強く思うようになりました。その思いを叶えるために、宮崎さんは山岳会に入り、登山の基本を学び、山登りに励むようになります。そして、2年が経過した頃、中央アルプスの尾根から下に広がる灌木の中に、褐色のニホンカモシカを見つけます。でも、遠方からでは、生き生きとした写真とはなりません。そこで、宮崎さんはニホンカモシカの生態を知る必要性を感じ、毎日のように山に入り、朝から晩までニホンカモシカを追い、その行動を調べます。ついには、その一つひとつの仕草の意味まで理解できるまでになりました。ニホンカモシカの行動を事前に読むことができるようになったために、信じられないくらいの「生きた」写真を撮れるようになりました。「山に生きるニホンカモシカ」など、多くの写真集を出版され、後に、「動物と話せる男」とまで称されるようになりました。

6月9日(木) 川俣高等学校長

自己改装

お店であれば、数年に一度、多くの業者により店舗改装をすることはあります。では、人はどうやって改装(成長)するのでしょうか。自分の力により行うしかありません。こうした自己改装(自己成長)には、自己啓発と多くの教養を要します。でも、自己改装により、自分の持つ人間力が大きく増します。人間力の向上により、自身の魅力も増します。そして、まさに今取り組んでいる学習も、自己改装の原動力になります。一層輝ける存在となるよう、学習活動の継続を図ってほしいと思います。

6月8日(水) 川俣高等学校長