令和4年度

校長より

脳内物質

幸福に関するドーパミンや恐怖・不安に関するノルアドレナリン、興奮や怒りに関するアドレナリン、落ち着きに係るセロトニンや眠気に係るメラトニン、ひらめきに関するアセチルコリンや多幸感に関するエンドルフィンなど、人には7つの脳内物質があると言われています。そして、ドーパミンが出過ぎるとセロトニンが抑制的に働くなど、それぞれが重要な役割を担っています。どれか一つが突出していても有効とは言えません。大切なのは、それら7つのバランスです。不規則な生活や偏った食事、ストレスはそのバランスを崩し、私たちの生活に大きな影響を及ぼします。7つの脳内物質の効果的な活用を図るためにも、基本的生活習慣の確立とその実践が必要です。

8月25日(木) 川俣高等学校長

いつから学ぶか

知識を持っていると一層楽しくなる、と言われています。でも、今から学ぶにはもう遅い、という声もよく耳にします。学びの旬はいつなのでしょうか。学びの気持ちが高まる時期、そのときこそ学び時です。年齢を重ね過ぎたからもう遅い、ということもありません。むしろ、大人になってからのほうが、より効率よく学べる材料を手にしています。大人の学びは、回り道をすることなく、大事なことだけを覚えることができます。たとえば、様々な日本語の語彙やコミュニケーション手段等を知ったうえで学んだほうが、外国語の習得は格段に速くなります。高校生の皆さんならもちろんのこと、学びについて遅すぎることはありません。もしかすると今日が、生徒の皆さんにとって学び時かもしれません。

8月24日(水) 川俣高等学校長

努力の継続

昨日の自分よりも少しだけ成長できたかな、と感じるうれしい瞬間は、誰でも経験したことがあると思います。そうした実感を持てるからこそ、人は前に進んでいくことができます。純粋に自分の目的に向かって進んでいるので、自分の経歴や他者からの評価は気になりません。自分の努力にすべてがかかっているからこそ、他者や環境に左右されることがなくなります。結果として、自分の限界を決めるのは自分だ、という、当たり前のことに気づくのです。そう、生徒の皆さんの限界を決めることができるのは、生徒の皆さん自身です。

8月23日(火) 川俣高等学校長

エピソード記憶

人の持つ記憶には、長期記憶と短期記憶があります。自分で疑似体験するようなイメージについては、長期記憶の中でも、特にエピソード記憶と呼ばれています。教科書の内容は忘れがちでも、自分に起きた出来事はめったに忘れることはありません。まさにこれこそ、エピソード記憶の強みです。ということは、例えば教科書を読む際にも、そこに書かれている人の気持ちになって、その世界に入り込みながら読むことで、記憶の度合いは一層増します。これは、学習以外にも応用できます。仕事でプレゼンテーションや会議がある場合には、参加する方々と自分が話している想像の世界に入り込み、「相手はどんな反応を示すだろうか。」など、想定できるシーンを前もって数多くイメージすることで、当日のコミュニケーションは良質になることが証明されています。意外に難しいことではないので、是非、生徒の皆さんも試してみてください。

8月19日(金) 川俣高等学校長

全体像の把握

学習には計画性が必要です。でも、先が見通せずに、途中で挫折してしまうこともあります。詳細な説明がなされている厚いテキストは深く知る上では有効ですが、一方で、やや薄めのテキストを使って、学習の全体像、言い換えれば、学習内容の骨格を短期間で把握してしまうのも一つの方法です。テキストの作成者ではなく、自分で学習ロードマップの作成を手掛けるのです。学ぶべき骨格を先に把握できれば、あとで、じっくりと身(深い知識)をつけていく作業に取り組むことができます。そのためにも、生徒の皆さんには、教科書やテキストの目次の有効活用をお薦めします。

8月18日(木) 川俣高等学校長

スギてはいませんか?

人は多くの人との関係により生活をしています。だからどうしても、人に気を使いすぎたり、人に合わせすぎたり、または、人の評価を気にしすぎたりするなど、多くの「スギ」を抱え込むこととなります。そして、その「スギ」は大抵、息苦しさを招きます。スギだらけの心に必要とされるもの、それは、車のハンドルがそうであるように「あそび」の感覚です。「スギ」ではなく、敢えて心に「スキ」を作るのです。「スキ」のある状態は、人の心を穏やかにし、創造性豊かな発想を可能とします。そして、その「スキ」からある対象を好きになることで、興味や関心の領域を広げたり、その深化を図ったりすることができます。

8月17日(水) 川俣高等学校長

整 頓

この投稿でも何度か整理整頓について話をしました。正確には、整理とは、いらないものを処分することを言い、整頓とは、すぐに取り出せる状態にすることを指します。重要性は整頓にあります。でも、生徒の皆さんは、学習活動の際に、何かを探すことに多くの時間を費やしてはいませんか。アメリカのビジネスマンに関する調査によれば、平均的なビジネスマンは、年間の総労働時間の約30日分にあたる時間を何かを探すことに費やしている、というデータがあり、今もその意識改革に取り組んでいます。仕事(学習)効率を上げる最善の策こそ、整頓です。生徒の皆さんも、ものを探すことは学習活動の一環である、という意識の変革を図ってみませんか。

さて、本投稿はしばらくの間お休みをし、再開は8月17日(水)を予定しております。その際には、またよろしくお願いいたします。

8月2日(火) 川俣高等学校長

詩人である坂村真民氏の詩に、「光る、光る、すべては光る。光らぬものはひとつとしてない。みずから光らないものは、他から光を受けて光る。」というものがあります。一部のもののみが光るのではなく、すべての存在が光り輝くことができる、と訴えています。そういえば、美術家の清川泰次氏も、「どんな人でも、他の人にはない良さを持って生まれてくる。自分の中の宝石は自分でしか磨けないが、それを磨くことが生き甲斐というものである。たとえそのとき、自分の中に宝石が見つからず石であったとしても、その石を、どこにもない美しい石に磨き上げることだ。磨かぬダイヤモンドよりも、どれほど美しいことか。」と話されていました。私たちは、あるときは、自ら光を放つことで周囲を明るくし、一方で、あるときには、周囲の人の放つ光によって助けられたりしているのかもしれませんね。

8月1日(月) 川俣高等学校長

予 防

ものづくりに必要な機械、この故障は、企業にとって大きな損失となります。故障の未然防止には、劣化を防ぐ日常点検や劣化測定のための定期点検、劣化を早期に回復するための予防修理などの観点が必要とされます。人に例えてみれば、日頃から食事に気を配り、健康診断を受け、早期発見や早期治療に努める、といったことになるのでしょうか。機械が壊れるという場合、前述したことを考慮すると、人が機械を壊している一面もあるのかもしれません。機械の修理以上に故障の未然防止に努めるのは、人に関する予防医学にも通じる考えです。

7月29日(金) 川俣高等学校長

夢の実現

夢を持つから人は成長する、と言われます。その実現に向けて努力し、試行錯誤を繰り返すからこそ達成感を感じることができ、また、その達成感から、次の夢の実現に向けた大きなエネルギーを得ることができます。大切なのは、夢は必ず実現する、と、迷うことなく信じることにあります。例えは少し異なりますが、羽が小さなクマバチは、航空力学上は飛べないはず、とされています。でも実際には、クマバチは立派に飛んでいます。「理論上、君は飛べないんだよ。」と語りかけたら、クマバチに迷いが生じ、そして、それ以降は飛べなくなるかもしれませんね。生徒の皆さんには、自分の持つ夢を真正面から見据え、その実現を信じ抜く信念の下、学習活動に取り組んでほしいと思っています。

7月28日(木) 川俣高等学校長