令和4年度

2023年12月の記事一覧

読 書

生徒の皆さんは1年間で何冊の本を読みますか。読書から得られる知識は計り知れません。読むスピードが遅く、それが読書のネックになっている場合もありますが、とにかく多く読むことで、自然にその速度は高まります。現在ではネットをとおした本の注文も一般的になりました。でも、自分の興味のあるテーマで検索をかけると、タイトルにその言葉のない本は検索結果に反映されないこともあります。実際に書店に足を運んでみると、知りたいテーマが集まっている棚をじっくりと眺めることができ、こんな本も出版されているんだ、など、多くの発見を楽しむこともできます。生徒の皆さんの中にも、本を読んで興味を示した箇所に、線を引いたりマーカーでチェックすることがあると思います。読み返した際に目が届きやすい反面、二度読み、三度読みの際には、別の箇所が気になる場合もあります。線などを引く代わりに、そうした個所に付箋を付けておくことを推奨する方もいます。独自の読書法を確立するのもまた、読書の楽しみの一つと言えます。

12月18日(月) 川俣高等学校長

中国では、気の存在を重視しています。気はエネルギーとされており、よって、体内に気を宿すことは気持ちを充実させてくれるとともに、元気をもたらすのだそうす。かねてより、日本にもそうした意識はありました。浮世絵師の葛飾北斎は、対象物をじっと見つめ、そこに宿るものを自分に取り込み、写し取ろうとする姿勢を持ちながら作品と向き合っていたようです。その領域は既にかなり高いレベルであったものの、70歳になっても現状に満足することなく、自分が到達する、確固とした更なる目標を定めていたといいますから、気に満ちた生活を送っていたことがうかがえます。その意味で、気は向上心とも言えます。周囲に対する気配りは大切な心構えですが、気の配り過ぎには注意が必要かもしれません。

12月15日(金) 川俣高等学校長

ハングリー

半導体などの洗浄に使用される水を超純水と呼ぶのだそうです。不純物を徹底的に除いた超純水には、50メートルプールの中に爪楊枝の先程度の砂粒があるくらいと言いますから、その純度には驚かされます。水は、他の物質を溶かし込みゴミを吸い取る性質を持つため、純度が高くなると洗浄力が増すのだそうです。超純水のことをハングリー・ウォーターと呼ぶ場合もあると聞きます。一般的に使用している水も、長く瓶などの入れ物に入れたままにしておくと、水が入れ物自体を溶かすなど、瓶が痩せると称される現象が稀に起きる場合もあるので注意が必要とのことです。一見、とても便利な超純水ですが、一方で、塩分やカルシウム、マグネシウムなど有機物が取り除かれているため、飲んでは美味しくはないようです。全てにおいて有効な物質はなかなか存在しませんね。

12月14日(木) 川俣高等学校長

情 識

『風姿花伝』の中に、『稽古は強かれ、情識はなかれとなり』という一節があります。妬みの心にとらわれることなく厳密な稽古を心がけよ、という戒めです。心の持ちようにより、芸が広がりを見せることもあれば、不完全な表現に留まることもある、という考えは、世阿弥の考えにも通じます。そして、生徒の皆さんには、この稽古という言葉を、学びに置き換えて欲しいと思っています。学問の定着を図る過程では、人が自分より先んじる場面にも遭遇しますが、妬みが学びの障害になることのないよう、常に離見の見を心がけることは大切です。学びは、ある意味自己改革です。昨日の自分より今日の自分は一歩でも歩みを進めることができた、という喜びを胸に日々過ごして欲しいと思います。

12月13日(水) 川俣高等学校長

音 読

本を読むときに視覚のみを活用し、目のみで文字を追うことを黙読といいます。一定の理解はできますが、より効果的な読書法として音読を推奨する方は多くいます。理解した文章情報を音に変換し、口を動かし、息を出し、自らの声を耳により聞く、という一連の流れが、脳活動にもたらす影響が大きいのだそうです。黙読が視覚をとおした情報のインプットとすれば、音読はインプットとアウトプットの同時進行となり、脳の血流が増加して、脳の働きが活発化します。加えて、声に出すことにより、肺や横隔膜も鍛えられます。肺活量の増加は疲れにくい身体を作り出すのだそうです。生徒の皆さん、音読により知識の一層の定着を図るとともに、強い身体も作ってみませんか。

12月11日(月)川俣高等学校長