令和4年度

中国では、気の存在を重視しています。気はエネルギーとされており、よって、体内に気を宿すことは気持ちを充実させてくれるとともに、元気をもたらすのだそうす。かねてより、日本にもそうした意識はありました。浮世絵師の葛飾北斎は、対象物をじっと見つめ、そこに宿るものを自分に取り込み、写し取ろうとする姿勢を持ちながら作品と向き合っていたようです。その領域は既にかなり高いレベルであったものの、70歳になっても現状に満足することなく、自分が到達する、確固とした更なる目標を定めていたといいますから、気に満ちた生活を送っていたことがうかがえます。その意味で、気は向上心とも言えます。周囲に対する気配りは大切な心構えですが、気の配り過ぎには注意が必要かもしれません。

12月15日(金) 川俣高等学校長