令和4年度

2022年9月の記事一覧

聞く聴く訊く

生徒の皆さんが会社に就職し、上司から、「仕事について何か問題はありますか。」と尋ねられたとします。皆さんなら、どう答えるでしょうか。大抵の場合、「順調です。特に問題はありません。」との回答が多くなされるそうです。でも、その上司が、「どんな小さなことでも構いませんので、問題や課題などありませんか。」と、さらに尋ねると、「少しだけあります。」と、いつくかの問題や課題が挙げられ、またさらに、「たとえば、こんな問題や課題、無駄はありませんか。」と具体的に尋ねられると、一般的には、かなり多くの意見が出されるのだそうです。結果として、100を超える問題等が挙げられることもある、とのことです。さて、最初の問いかけで全くなかったはずの問題が、実は100もあったというこの事実が、会社にとってみれば、まさに問題です。自らの取り組むことに隠されている問題を明確にしておくためにも、周囲の人やその様子、自分のことをよく「見る観る診る」とともに、周囲の人に対して「聞く聴く訊く」など、複数回にわたる問いかけをする姿勢を持つことは大切です。

9月12日(月) 川俣高等学校長

エリザベス女王

本日未明に、イギリスのエリザベス女王がお亡くなりになりました。本HPの投稿(5月9日)を再掲するとともに、エリザベス女王のご冥福をお祈りいたします。

イギリスで、多くの国賓の方々をもてなす晩餐会が開かれたときの話です。手を洗うために出された水を、ある国賓の方が思わず飲んでしまったそうです。政府要人の方々から失笑がもれたそのとき、その方が間違って水を飲まれたことに気づいたエリザベス女王は、ごく自然に、自分の前に置かれた水をお飲みになったそうです。相手の立場を思う振舞いや心配りは、日頃の意識から生じます。私たちも見習うべきことが多くありそうです。

9月9日(金) 川俣高等学校長

締切仕事術

限界状況になると人は思わぬ力を発揮することから、仕事効率を上げるために、締切を設けることを推奨する本を多く見かけます。締切を設けると、少なからずストレスはかかります。でも、大きすぎないストレスは、程よい緊張感や緊迫感をもたらしてくれます。自然にノルアドレナリンも分泌されるので、注意力と集中力が高まります。生徒の皆さんには、漫然と何かに取り組み始めることに代えて、予め、期日や時間など締切設定を施すことをお薦めします。

9月8日(木) 川俣高等学校長

改善の繰り返し

大抵の場合、人は慣れたやり方で物事に取り組みます。でも、成果の出ない場合には、新しいやり方を取り入れなくてはなりません。もしも、その新しいやり方が原因でトラブルが生じたときに、生徒の皆さんならどう対処しますか。改善しようとして改悪になったのだから、元に戻すこともできますが、そこに成長は期待できません。そうした場合には、さらに改善を加える選択肢もあります。期待通りの結果が伴うまで、改善し続けるのです。何もしないこと、元に戻すことは停滞につながります。変えること、そして変わることこそ大切です。よく言われる、PDCAサイクルを止めたり、逆回転させたりするのではなく、常に正なる方向に回し続けるところから、成長は生まれます。

9月7日(水) 川俣高等学校長

機械の変容

生徒の皆さんが、ある工場の現場責任者だとします。自分の工場に、念願であった新しい機械が導入されました。これで今までのすべての問題が解決できると、皆さんはほっとすることと思います。でも、実はそうではありません。新しい機械は、他社でも導入できます。同じ機械を同じように使っていれば、他社との差別化を図ることはできません。では、どうすればよいのか。その機械に、人の知恵を付けるのです。知恵は、工夫と置き換えることもできます。機械に付けた人の知恵の数だけ、機械は変容を遂げ、その魅力も増します。数か月後に、他社で導入した同じ機械と自社の機械を見比べてみてください。姿・形は同じでも、きっと、全く違ったものとして見えるはずです。

9月6日(火) 川俣高等学校長