令和4年度

2022年2月の記事一覧

人は一人では、その力を十分に発揮するのに限界があります。そうしたときに頼りになるもの、それが人間関係です。社会学者ポール・アダムスによれば、人間関係は親しい順に、「親友、相談相手、癒し手、仲間、協力者、情報源、知り合い」の8パターンがあると話しています。そのうち特に、親友、相談相手、癒し手の3者を強い絆と捉えており、その数は、多くて15人程度だそうです。生徒の皆さんの周囲には、そうした絆を築いている人が何人いますか。今現在、15人はいなくても、何の心配もいりません。将来において、強い絆を築くことのできる余地が残されているわけですから。

2月9日(水) 川俣高等学校長

曖昧さ

電車に乗ろうとして目の前でドアが閉まったとき、あなたはどういった表情をするでしょうか。作家の椎名誠氏は、「アメリカ人は大げさなアクションで残念だと表現し、イタリア人は「何という不運」と激しく嘆いてみせる。ドイツ人は無表情に電車を睨みつけ、中国人は「次がある」と泰然自若そよとも騒がぬ。」と、随分以前の本に書いています。もちろん、それぞれの国民の方すべてに当てはまるわけではありませんが、国民性の一端は反映されているのかもしれません。では、日本人はどうでしょうか。椎名誠氏は、「ニヤニヤ笑う。」と表現しています。このニヤニヤの裏に隠された不確実な曖昧さが、周囲の人にはわかりづらい、とも指摘されています。知らず知らずのうちに、私たちも多く、こうした表情をしているのかもしれません。曖昧であることが大きな誤解を生じさせる場合もあります。恥ずかしさ故のこうした表情であったとしても、少しでも見直す努力は必要なのかもしれません。

2月8日(火) 川俣高等学校長

青春と老い

「若さとは、人生のある時期のことを指すではなく、心の在り方を指すのである。」こう言ったのは、実業家であり詩人のサミュエル・ウルマンです。彼は、「人は歳月を重ねたから老いるのではなく、理想を失うときに老いるのである。歳月は皮膚にしわを刻むが、情熱の消滅は、魂にしわを刻む。」とも述べています。そして、「若くあるためには、易(やす)きに流れようとする心を、叱咤する冒険への希求がなければならない。大地や人から、喜び、勇気、崇高さを感じる限り、その人は若いのである。人は、その信念に比例して若くあり、疑いに比例して老いる。」など、とにかくエネルギーに満ちた表現を多く残されました。ちなみに、こうした言葉を世に残したのは、彼が80歳のときです。まさに、80歳にして青春です。生徒の皆さん、10代で老いる考えなど持ちたくはありませんね。

2月7日(月) 川俣高等学校長

天気予報

かなりの確率で的中する天気予報ですが、天気は生活にも深く関係するので、人は以前から、暮らしの中で培った経験により天気を予想していました。例えば、山が近くに見えると雨になる、と、よく言われます。これは、大気に多量の水蒸気が含まれると、遠方の山が見えにくくなるために引き起こされる、視覚的・心理的現象とされています。また、朝やけの後には雨が降る、というのは、空気中に水分の微粒子が多いときに生じる現象が朝やけなので、朝やけが見えると大抵、昼頃までに雨が降るのだそうです。加えて、星がチカチカすると雨、というのもあります。大気中の温暖な空気層と寒冷な空気層を星の光が通過すると、光が屈折します。この現象は低気圧が接近しているときに起こるので雨が近い、とされています。昔の人は、経験から知識を作り上げる名人ですね。

2月4日(金) 川俣高等学校長

人に好まれる

性格心理学を研究されていた東京都立大学託魔武俊教授は、周囲から好まれる人の本質を次のように分析されていました。「総合的に見て、好まれる人には2種類あります。1つは、心の底から湧き出るエネルギーがあり、明るく積極的に生きていこうとする意欲を持つ人です。これを前向きの構えといいます。もう1つは、内面を見る目を持つ人です。静かに自らを凝視し、自分はこれでいいのか、常に自らに問い質す姿勢を持ち合わせている人です。」言われることはよく理解できるものの、実際に取り組もうとすると、難しそうですね。でも、毎日少しずつでも実践を図ろうとすることこそ、大切なのかもしれません。

2月2日(水) 川俣高等学校長