令和4年度

曖昧さ

電車に乗ろうとして目の前でドアが閉まったとき、あなたはどういった表情をするでしょうか。作家の椎名誠氏は、「アメリカ人は大げさなアクションで残念だと表現し、イタリア人は「何という不運」と激しく嘆いてみせる。ドイツ人は無表情に電車を睨みつけ、中国人は「次がある」と泰然自若そよとも騒がぬ。」と、随分以前の本に書いています。もちろん、それぞれの国民の方すべてに当てはまるわけではありませんが、国民性の一端は反映されているのかもしれません。では、日本人はどうでしょうか。椎名誠氏は、「ニヤニヤ笑う。」と表現しています。このニヤニヤの裏に隠された不確実な曖昧さが、周囲の人にはわかりづらい、とも指摘されています。知らず知らずのうちに、私たちも多く、こうした表情をしているのかもしれません。曖昧であることが大きな誤解を生じさせる場合もあります。恥ずかしさ故のこうした表情であったとしても、少しでも見直す努力は必要なのかもしれません。

2月8日(火) 川俣高等学校長