令和4年度

校長より

感受性

作家の独創性から生み出される漫画。随分以前になりますが、その生みの親の一人である漫画家はらたいらさんは、「創造的で面白い生活を送るためには、心の中の受信機、つまり、ものの感じ方や捉え方を磨き、この世界に飛び交っている見えない電波を心でキャッチすることが肝心」と話されていました。生徒の皆さんの周囲には、電波を発する存在として保護者の方や先生方がいます。その電波を是非キャッチしてほしいのです。学問的な面で、人間性の面でその電波をしっかりと捉え、自らの受信機に収めてほしいと思います。

10月8日(金) 川俣高等学校長

偶然の発見、必然の発見

ペニシリンは、イギリスの細菌学者アレキサンダー・フレミングによって発見されました。ブドウ状球菌を培養していた皿の一つに青カビが生え、その周りのブドウ状球菌を溶かしているのを偶然目にしたことによるものでした。こうした偶然を見逃すことなく発見できた背景には、フレミングの日頃からの意識の高さがある、とも考えられます。観察の領域においては、偶然は予め備えた人にしか幸いしない、と言われます。生徒の皆さんも、周囲に目を配り、気を配り生活することにより、何らかの新たな発見ができるかもしれません。自らの努力により発見した事象は、たとえそれが小さなことであったとしても、うれしいものです。

10月7日(木) 川俣高等学校長

他者の喜び、自分の喜び

受験など進路目標達成に向けた取組は、よく団体戦と言われます。不安を感じる友人を励まし、時に心の支えとなるなど、皆の力で環境作りに努めることからそう言われます。団体で取り組む意義は他にもあります。他者の喜びの中に、自分の喜びも見出すことができます。お互いの強い信頼関係の下、全員の進路目標達成を図ることができたとき、このクラスでよかったな、この学校でよかったな、と心から思えるし、また、そう思えたら最高の幸せです。

10月6日(水) 川俣高等学校長

情報判断

情報化社会の現在、資料として表やグラフが多用されます。その際に、気をつけてほしいことがあります。調査対象となった母数はどのくらいあるのか、または、表やグラフの目盛りや単位はどの程度なのか、等のことについても、是非確認してほしいのです。ほんの数十件の調査対象であったとしても、パーセント表記をすることで、あたかも世の中全体がそうなっているかのように見せることもできます。私たちに求められること、それは情報の正確な判断力です。

10月5日(火) 川俣高等学校長

悩むか、それとも考えるか

社会人になると、新たな企画等を求められるケースがあります。でも、何日かけても良いアイディアが浮かばない、ということもあります。どうしてでしょうか。様々な要因の中で一つあげられるのは、ただ悩んでいるからです。悩みとは、解決策が見つからず、自分の持つ情報や付随して生じる感情が頭の中でぐるぐると回っているだけ、ただ現状に困っていることを指します。一方で、考えることにより打開策は生まれます。この行為は、まず考える対象となる課題があり、それに対する分析や解釈、検証というプロセスを踏みながら行われます。まさに、適切に頭を働かせる活動なのです。今月に行われる本校の校内文化祭企画に係り、生徒の皆さんは、何にしたらよいのか、ただ悩んではいませんか。

10月1日(金) 川俣高等学校長

ひらめきは思いつきか

特に芸術分野など、創造的な活動に取り組まれると、よく「ひらめき」を感じる方がいらっしゃいます。そうした体験ができる人は特別な存在だからでしょうか。いや、少し異なるようです。ひらめく力には、過去の知識や経験の蓄積による判断が必要とされます。こうした過去の知識や経験が多ければ多いほど、頭の中に多くの「引き出し」が作られます。さらに多くの知識や経験をとおして、「ひらめき」の輝きが増します。取り組まねばならない目の前にある事柄とは、一見すると無関係にも思える「引き出し」をいくつも開けて、掛け合わせることでユニークな発想が生まれる、これこそが「ひらめき」です。頭の中に少しでも多くの「引き出し」を作成できるよう、知識を増やし、経験を積んでみませんか。

9月30日(木) 川俣高等学校長

運 命

人の性格は様々な要因により、その多くを幼少期に規定づけられるとされています。でも、心がけにより、何歳になっても変えることもできます。では、どういったことを心がける必要があるのか。このことについて、マザー・テレサは次のように述べています。「思考に気をつけなさい。それはいつか言葉になるから。言葉に気をつけなさい。それはいつか行動になるから。行動に気をつけなさい。それはいつか習慣になるから。習慣に気をつけなさい。それはいつか性格になるから。性格に気をつけなさい。それはいつか運命になるから。」

9月29日(水) 川俣高等学校長

情報の持つ複数の顔

2012年5月の金環日食を伝える新聞には、その見出しに大きな違いが見られました。全国紙では、「金環日食 列島興奮 932年ぶり広域観測」とありましたが、ある地方紙では、「282年ぶり 金環日食観測」とされていました。すでにお気づきのように、全国紙では、東北から九州までの広範囲で観測されたのは平安時代以来932年ぶり、と伝えている一方で、その地方においては、その地方での観測という観点から報道がなされるために、年数も異なるなど、表現に差が生じることとなります。同じ現象を取り上げるにしても、焦点の当て方により、伝わる内容も印象も大きく異なります。1つの情報には複数の顔がある、と念頭に置く必要があります。

9月28日(火) 川俣高等学校長

国語力

生徒の皆さんは、川俣高等学校において様々な教科や科目の学習に取り組んでいます。その中で、国語に求められる力とは何でしょうか。日本語を読み、書き、そして話す。皆さんはいずれもできると思います。これを少しだけ掘り下げて考えれば、3つの学びの視点が見えてきます。第1に、把握する力です。情報を収集し整理する力のことです。第2に、思考する力です。収集した情報を基にして考える力です。そして第3に、伝達する力です。前述した第1及び第2の取組をとおして、適切に表現する力です。大学入試はもちろん、灘中や開成中、筑波大附属駒場中といった中学入試にも、この傾向が見て取れます。こうした力の伸長は、ちょっとした心がけで実践が可能です。たとえば、第1と第2を強く意識しながら読書をして、まだ本を読んでいない友人に、その内容の伝達を試みてください。そして、友人がその本を読み終わったときに、事前に伝達された通りの内容であったかどうか、確認し合ってみてください。知識を得ながら、国語力の向上と深化を図ることができます。

9月27日(月) 川俣高等学校長

確信を高める

生徒の皆さんは、自信がないから取り組んでいることをやめる、といった決定をしたことはありませんか。これは、あまりにももったいない話です。自信がなければ、たとえば本を読むなどして確信を高めればよいのです。今はうまく成果が出ていなくても、自らの取組に間違いはない、という確信さえあれば、何でもやり続けることができます。学びの継続を図り、一層成長することができます。

9月24日(金) 川俣高等学校長