令和4年度

2022年9月の記事一覧

うまくいかない要因

あるメーカーで、特定地域の市場シェアが低下傾向にあったそうです。本社責任者が担当者に理由を尋ねると、「景気が悪い」「同業他社と比較して自社価格が高い」など、いわゆる外部要因を多くあげたそうです。そこにシェア低下の原因があると考えた責任者がお客様に直接話を聞いたところ、「こちらのニーズを無視して、売りたい商品の話ばかりする」「見積書の提出が遅い」「そもそも担当者が滅多に顔を出さない」など、内部要因がほとんどでした。営業方法を根本から見直し、より多くの企業の方と接する時間を確保するなど工夫したところ、売上は飛躍的に伸びました。外部要因にはどうにもならない要素も多くありますが、内部要因であれば、工夫次第で改善を図ることができます。また、不振の原因を内に求めることで、知恵が出ます。課題解決には、真摯な要因追求の姿勢が求められます。

9月5日(月) 川俣高等学校長

無茶な制約

車を生産するある会社の社長が、今の費用、そして生産に係る時間の2分の1程度で行うよう指示を出したそうです。何か月もの間、夢の中にも出てくるほど考えた末に、担当者は、他車と一部生産工程を同じにするなど、小さなものも含めて数百項目もの工夫を施し、一台の生産に係る費用と時間を大幅に短縮することに成功したそうです。潤沢な予算と時間があれば、人は何も変えようとはしません。予算と時間の極端な制約があれば、何とかしようとし、知恵を出します。時に生じる無茶な制約は、人に知恵を出すことの大切さを思い出させてくれます。そして、知恵を出すことは、人を大いに成長させてくれます。

9月2日(金) 川俣高等学校長

青い鳥

メーテルリンクの「青い鳥」という童話をご存じでしょうか。チルチルとミチルが夢の中で過去や未来の国を訪れて、幸福の象徴である青い鳥を探しに行く話です。でも、見つけることができずに家に帰った二人は、自分たちが飼っている鳥こそが、幸せの青い鳥であったことに気づくのです。私たちが気づかないだけで、幸せは、いつも自分の身近なところにあります。では、どこに私たちの幸せはあるのでしょうか。具体的には、脳の中にもあります。ある目標や計画を立てたとき、何かワクワク感を感じることはありませんか。それは、脳内にドーパミンが分泌されているからです。そして、その目標の実現が図られると、大きな達成感とともに、より多くのドーパミンが分泌されます。それは、幸福感に満たされる瞬間です。幸せに、大きい小さい、はありません。幸せは、間違いなく幸せなのです。生徒の皆さんも、こうした機会を一層多く持つことで、充実した楽しい生活を送ることができます。

9月1日(木) 川俣高等学校長