令和4年度

2023年4月の記事一覧

モ ノ

今は、世に情報やモノが溢れています。人の生活は豊かになり、また、その豊かな生活を求める傾向は新たなモノの開発を促進しています。でも、20年前には、そのほとんどが存在していなかったのも事実です。そうした中、人は幸せな生活を送っていました。洗濯機と冷蔵庫、テレビを三種の神器としていた時代もあります。私たちは、より豊かな生活を求める一方で、消費する立場をいう消費者としてだけではなく、今あるモノを永く大切にする気持ちも求められています。

4月24日(月) 川俣高等学校長

ホーム

ホームとアウェイ、どちらを好むか聞かれれば、何となく安心感のあるホームを選択すると思います。でも、人の脳は、予め起こることが予想される状況(ホーム)を好まず、むしろ想定外のこと(アウェイ)を好む傾向にあるそうです。ということは、脳は変化に対応できるし、別の言い方をすれば、脳は常に変わりたがっている、とも言えます。脳が変われば人は成長します。無限に発展する可能性が脳にある、ということは、人は発展し続けることができるのです。自分で一定の枠を定めてしまうことは、自らの手で発展する余地、つまり可能性を狭めることにもなります。自分の脳とともに、生徒の皆さん自身も成長や発展をし続けることができるのです。

4月21日(金) 川俣高等学校長

自 由

すべての時間が行であり、顔を洗うにも食事を摂るにも作法を守ることが求められるなど、日本の禅寺での修行の厳しさはよく知られています。一方で、インドのアシュラム(修行場)では、修行者に修行する場を提供するのみで、日課すら決められていないなど、すべてが修行者に任されている、全くの自由なのだそうです。何でも自分で決め、行動し、その責任は自分が引き受けなければならないなど、これは究極の難行とも言えます。でも、こうした時間をとおして自分自身と向き合い、時には自分自身と戦うことで、真に自分の心と仲良くなれるのかもしれません。こうしないようにしよう、こうした考えはよくない、と思っているうちは、まだ自分にとって自分が敵のような存在なのだ、とも言えます。自分の心に照らして納得できる生活を送れるようになったとき、ある意味で悟りの境地に達することができるのかもしれません。

4月20日(木) 川俣高等学校長

時間枠

今の状況がいつまで続くのかわからずにいると、人は集中力を欠く傾向に陥ります。学校の授業についても、1コマの授業が何時まで行われるのかわかることで、集中して学習に取り組むことができるとも言えます。これから1時間で会議資料を整える、10分間で出かける準備をし終えるなど、自らに時間枠を設けることは、人の脳に一定の安心感を与えるようです。時間枠を設定することで、当初は間に合わせようと焦りも生じますが、この心地よい緊張感が理解力を一層高めることにも繋がります。

4月19日(水) 川俣高等学校長

生徒の皆さんも、相手に質問をする場面が多くあると思います。そして、たとえば、「いつまでに完成しますか。」と漠然と聞くよりはむしろ、「今週中までに完成しますか。それとも、月末まで、あるいは次の月までにはできますか。」と、具体的な期日や数字を挙げたほうが相手は答えやすいことは容易に想像がつきます。こうした際に、選択肢は2つよりは3つが好ましく、逆に4つ以上は迷いが生じることから不要、とする説があります。一方で、3つの選択肢を用意するには頭を使いますが、意思疎通を図る上では有効な手段とされています。生徒の皆さんが就職し、業務交渉の場に立ち会うときには、予め、「円滑に交渉が成立する。内容を一層詰める必要が生じる。いったん話を持ち帰る。」という3つの選択肢を念頭に臨むことを要します。また、あるプランを提示するなら、「相手にとって最も良い条件、相手が納得する現実的条件、相手が敬遠する可能性のある条件」という3つの条件を考えることで、相手の考えるパターンの先読みができます。3つの選択肢に係る意識は、仕事の上でも普段の生活をする上でも、会話の一層の促進を図ることができます。

4月18日(火) 川俣高等学校長