令和4年度

2022年9月の記事一覧

好きなこと

仕事に取り組んでいるときに、光り輝くような存在である理由を尋ねると、「仕事が好きだから。」と答える方が多くいらっしゃいます。好きなことから得られる経験やスキルは、減ることのない財産になるので、ますます仕事が好きになる好循環を生み出しているようにも思えます。「自由にできる仕事だから。」という答えも耳にします。でも、ここでいう自由とは好き放題することではなく、自分の望んだ人生を、自分で責任をもって選択し生きていくことを意味します。マイケル・サンデル教授が講義の中で述べた、「自由とは、自分のルールに従って行動すること、すなわち、自律のことである。」という内容に匹敵します。一流の仕事人は皆、心から仕事を楽しんでいます。生徒の皆さんの場合には、仕事を学習に置き換えて考えてみてください。本校には今日も、心から学習を楽しめる機会が多く用意されています。

9月21日(水) 川俣高等学校長

直 観

直観は、誰もが備えている能力です。アメリカのヴァンダービルト大学の研究チームによると、論理的に考え熟慮の末に行動するときと、直観によって物事を判断するときでは、脳で行われている情報処理のプロセスが全く異なる、と指摘しています。直観で判断を下すとき、人は論理的な思考プロセスを無視します。では、直観による判断には誤りが多いのか、と言えば、そうではありません。イスラエルの大学での研究によると、左右に2つの異なる数字を瞬間的に表示して、数字の大きい方を尋ねると、被験者の9割は正しい判断をしたそうです。人は、意識的、論理的に思考しても無理なことに対して、直観的に判断することで正しい選択ができる生き物なのです。人が、自分の身を守るために発達したと考えられるこの直観を、もっと大切な存在として扱う必要がありそうです。

9月16日(金) 川俣高等学校長

まとめ

アップルの創業者スティーブ・ジョブズ氏は、ある企業が示した100ページに及ぶ契約書をゴミ箱に放り投げ、「私と話をしたいなら、数枚にまとめよ。」と言ったことがあるそうです。また、GEの売上を伸ばしたジャック・ウェルチ氏は、社内から上がる厚い企画書を指して、「本にするな。」と指示したそうです。共通に言えるのは、厚い書類は自分の思考を整理し切れていない表れであり不要、との信念に基づくものです。例えばA4版1枚の資料であれば、簡潔に要領よくまとめられているため、読む側の時間も奪うことなく、結果としてスピーディーな判断を可能とします。生徒の皆さんが学習する際に、教科書やテキストの内容をノートにまとめていたら、ただもう1冊、同じ教科書やテキストができあがったにすぎない、ということはありませんか。

9月15日(木) 川俣高等学校長

コメントから見える人間性

かつて知事選に臨んでいた俳優のアーノルド・シュワルツェネッガー氏が、遊説先で観衆から生卵をぶつけられる事件がありました。彼は相手に怒りを向けるのではなく、こう切り返します。「奴にはベーコンの貸しだ」。さて、生徒の皆さんは、このコメントの意味がわかりますか。「生卵をぶつけるなら、ついでにベーコンもよこせば、ベーコンエッグを作れるじゃないか、ベーコンが足りないじゃないか」という、彼独特のジョークです。こうしたジョークが好まれるアメリカとはいえ、普通ならキレることも考えられる緊張した場面で、うまいことを言うものだと感心させられます。では、改めて生徒の皆さんに問います。皆さんがアーノルド・シュワルツェネッガー氏の立場であれば、どう切り返しますか。「投げるのは、ゆで卵にしてくれ。」「塩コショウはないのか。」などでしょうか。「温泉卵もいいぞ。」も、あるかもしれませんね。こうした発言ができるのは、緊張状態の中にあっても、セルフコントロールができている証でもあります。気の利いたコメントは、周囲を和ませるなど、人間関係を円滑にしてくれます。

9月14日(水) 川俣高等学校長

無駄の減らし方

日常的な無駄遣いを減らすには、何か好きなものに置き換えて考える方法があります。パッと財布を開けてしまいそうになるときに、このお金があれば自分の好きな本を1冊購入できる、など、好きなものを思い出すワンクッションを作り出すのです。こうした取組は、時間に関しても同じことが言えます。ぼんやりと過ごす時間を、自分の好きなことに費やせる時間に変換するよう心がけることで、高い満足感も得ることができます。そして自然に、自分の周囲から無駄な存在がどんどん減っている、ということに気づくはずです。自分の好きなものへの変換、生徒の皆さんも、今日から試してみませんか。

9月13日(火) 川俣高等学校長