令和4年度

2022年7月の記事一覧

甲子園の砂

高校野球全国大会が開催される甲子園、全力で闘った後に、甲子園の砂(土)を袋に詰める球児の姿を目にしたことがあると思います。その砂は、かつては中国福建省から、現在では、岡山県や三重県、鹿児島県や大分県、鳥取県など複数の県から運ばれているそうです。もともと、甲子園の周囲は白砂青松の地で、浜砂が豊富にありましたが、その鮮やかな白さからボールが見えにくいこともあり、黒土を混ぜるようになったそうです。春は雨が多いので、水はけをよくするために砂を増やし、白砂6に対して黒土4に、一方で、夏は日差しが強くボールが見えにくいので、白砂4.5に対して黒土5.5と配合を変えています。こうした工夫一つ見ても、大会を運営される方々が、選手の皆さんが良い環境でプレーできるよう、様々なことに気を配っていらっしゃることが窺えます。ちなみに、初めて甲子園の砂を持ち帰った球児は、読売巨人軍監督を勤められた川上哲治氏と言われています。昭和12年の決勝で敗れた熊本工投手川上氏は、涙をぐっとこらえて、黙々とグランドの砂を集めたそうです。間もなく夏の甲子園の季節です。

7月6日(水) 川俣高等学校長

自己都合

人は自分に都合のよい情報を集め、一方で、不都合な情報を遠ざける傾向にあります。これを心理学では、確証バイアスといいます。でも、客観的な判断を行うためには、こうした確証バイアスに抗うことも大切になります。立場の異なる人の話に耳を傾け、多方面から情報を得ることで、導かれる判断の正確さは格段に増します。生徒の皆さんも、こうした取組を意識的に行うことにより、自らの一層のスキルアップを図ることができます。

7月5日(火) 川俣高等学校長

自己受容

生徒の皆さんも、自己肯定感という言葉を聞いたことがあると思います。自分の可能性を信じ、自分に自信を持ち、肯定的に自己認識をすること、これが自己肯定感です。一方で、自分に自信が持てないなどの感情を自己否定感といいます。自分の感情にマイナスを掛け合わせてしまうこうした瞬間は、確かにありますね。その改善を図る第一段階として、自己受容に努めることが大切であり、その方法として、精神科医樺沢紫苑氏は、「自己受容の4行日記」を推奨されています。1行目に、「ミスをして叱られた」など、自分の体験したネガティブな事例を書き、次の2行には、「誰にでもミスはある」「少し落ち込んだ」など、自分の自然な感情を書き込み、最後の1行は、「それでも、まずまず良い一日だった」など、前向きな表現で締めくくるのだそうです。自己否定から自己受容を行うとともに、最後の前向きな表現により、脳内にプチ変化が生じ、そしてプチ成長を遂げることができます。

7月4日(月) 川俣高等学校長

単位の考え方

ある企業の経営者が、「これまで7日かかっていたリードタイム(すべての工程が完成するまでの所要時間)が3日になりました。」と話すと、それを聞いた別の経営者はその取組を賞賛した上で、「では次は、72時間(3日)を、1時間、2時間と、さらに短縮化を図ることができそうですね。」と話したそうです。リードタイムを「日」という単位で考えれば、4日の短縮は十分な対応ですが、「時間」という単位で考えれば、まだ改善の余地があることに気づきます。加えて、「時間」を「分」に置き換えて考えることもできます。このような取組を継続すれば、最初の経営者の会社は、将来、リードタイムが2日になっているかもしれませんね。時間の単位(時単)を変えることで、時間の短縮(時短)につながるわけです。生徒の皆さんの周囲にも、改善の余地は無限にありそうです。

7月1日(金) 川俣高等学校長