令和4年度

食文化

大晦日や正月には郷土料理を食する機会が増えます。大分県臼杵地方では、黄飯(おうはん)を炊く習慣があります。白身魚や大根、にんじんやネギ、豆腐などを鍋で煮て、黄飯に添えたり、上からかけて食べるのだそうです。日本では珍しい黄飯は、スペイン料理のパエリアから来た、ともされています。サフランで黄色に染めて炊き上げた米の上に、オリーブ油で炒めたエビやイカ、貝などが乗るパエリアは、かつて大友宗麟が好んで食べたそうです。手に入りにくいサフランはくちなしに、また、エビやイカはクロダイやエソなどの白身魚に、加えて、オリーブ油は菜種油に代えて炒めるなど工夫して、日本風にアレンジしたものが黄飯です。何百年にもわたりしっかりと根付いた食文化は、今でも正月三が日の間に何度も煮直しては食卓に載せられ、人の笑顔を作り出しています。

8月23日(水) 川俣高等学校長