令和4年度

代名詞

200年程前の江戸時代から浅草寺参詣のお土産として知られる雷おこしは、その固さで有名です。でも中には、柔らかさを求める人もいたことを受け、改良に取り組むこととなります。水あめを増量することで固く甘くなることから、コーンスターチや小麦粉などを混ぜることで歯触りを柔らかくするなど工夫を施し、一層幅広い方々に好まれるようになりました。雷おこしは固いものという概念を覆す勇気、人の声に耳を傾ける柔軟な姿勢などがもたらす成果です。ちなみに、雷おこしという名は、浅草寺総門が雷門と呼ばれていることことを受け、雷除けとして売り出されたとも言われています。徐々に、家を興し名を興す縁起のいいもの、という地位を築くこととなりました。でも、その固さを求めた江戸っ子が現代にやって来て、柔らかい雷おこしを口にしたら、お気に召すかどうかはわかりません。

2月14日(水) 川俣高等学校長