令和4年度

想像以上

私たちは、一定の未来予想図を抱きながら物事に取り組みますが、その通りにいはいかない場面にも多く遭遇します。そして、それは、想像していた成果を大いに上回る場合もあります。昭和50年代の始めに、マイコン・チップの新しい販路先を模索していた企業がありました。冷蔵庫やミシンなどへの取込みを考える一方で、アメリカの事例を探ってみると、マイコン・チップを組み込んだ小さなおもちゃの製造をしていることを知ります。会社内で行われた検討会では、ほぼすべての役員がそのおもちゃの製造に反対を唱えます。でも、開発チームの商品に対する熱い思いから、試しに売り出してみよう、ということになり、結果、これが大当たりします。マイコン・チップ付きのプラモデル形式で販売したところ、自分で小さなコンピュータを組み立てる喜びを体験できるため、多くの需要を生み出します。加えて、特殊な電源を要するため、そのアダプタが開発されたり、テレビゲームのような製品ができると、そのゲームを扱う本が出版されるなど、サードパーティーが飛躍的に充実するなどしたそうです。大きな成果が生み出される背景には、常に、真摯に向き合う姿勢があります。

3月7日(火) 川俣高等学校長