令和4年度

満足度

かつての車業界のセールスマンと購入側の心理状態をとおして、現在の社会情勢を説明する研究者がいます。セールスマンは見込客との契約が近づくと、様々なセールス活動を行い、契約という成果に結びつけました。全てに当てはまるわけではありませんが、セールスマンの喜びは契約時にピークとなる一方で、購入側は納車時期が近づくと喜びのピークを迎えるため、セールスマンと購入側には喜びを感じる時期にズレが生じることになります。でも当時は、モノを作れば売れる時代でした。車に関しても、次の購入者がすぐに現れます。一方で、家庭に一定のモノが揃えば、需要は頭打ちになります。新しく車を購入しいと考える人が市場で約6%という一部データもある現状において、会社の売上を伸ばすのに必要なこと、それは、今のお客様を大切にすることである、と企業は気づきます。顧客満足度という言葉も生まれました。次の購入見込者に移っていたセールスマンの目線は、今、目の前にいるお客様に向けられます。当然、顧客満足度は高まり、お互いの信頼度も深まります。モノに溢れたかつての時代以上に、今は、心が通い合う良き時代であるとも思えます。

11月28日(火) 川俣高等学校長