令和4年度

一を聞いて

日本では、十のうち一だけを聞いてすべてを理解することを良し、としていますが、すべての国がそうであるとは限りません。『古池や蛙飛び込む水の音』という松尾芭蕉の句から、私たちは頭の中でその情景を思い浮かべるとともに、背景にまで思いを巡らせます。一方で、海外の人に芭蕉の句を披露すると、「それで?」と、その続きを促されるかもしれません。十の説明を聞いて一を知る文化においては、相手にわかるよう、的確な、そして充分な十の説明をすることが求められており、これもまた、なかなか大変なことです。言葉をつくして自分の考えを相手に理解してもらい、相手からも充分な言葉をとおして情報を得ることも、私たちが持つ感性同様に重要なこととされています。

12月20日(水) 川俣高等学校長