令和4年度

ためらい

私たちの持つ品位や品格については多く述べられているところですが、コラムニストであった天野祐吉氏もご自身の本の中で、「品とは自分の愚かさを知る心の動きから生まれてくるものであり、自己批評の機能を失ったところから品位の喪失は始まる。」と書かれています。では、自らの品を保つためにはどうすればよいのでしょうか。自分を客観視することの大切さを挙げる人もいます。客観視とは、行動を起こすにせよ、何かに興味や関心を持つにせよ、即実行の前に少しだけ間を置くこと、とも理解できます。うまくいくかどうかわからずに悩み、思い切って実行することができずにいる状態を指す、やや否定的な心の動きともされるためらいを、自己を慎重に見つめるための前向きのためらいと位置づけ、意識的に活用することで、健全な心、そして品を保つことができそうです。

1月25日(水) 川俣高等学校長