令和4年度

粗野に考える

粗野に考えることを学ばねばならない、こう述べたのは、ドイツの劇作家であり詩人のベルトルト・ブレヒトでした。丁寧に考えるのではなく粗野に考える、とは、わかりづらい表現ですが、自分が主体となり、自分の感情に沿って率直に物事を見つめる、という意味合いを持つ、とも読み取れます。目の前にある事象を、近い位置からではなく遠い場所に身を置き、眺めながら取り組むのでは事態の解決にかなりの時間を要します。洗練された考えは意味を持たず、むしろ、至近距離から捉えた感覚や感情に基づき、前に進むのか、一旦は退くのか、あるいは、歩みの方向を左右に変えるのかを判断することこそ、大きな意味があります。生徒の皆さん、決断を要する場面は、すぐに、そして数多く訪れます。自分の感覚を大切にして、是非、粗野に考えてみてください。

11月8日(水) 川俣高等学校長