令和4年度

変 化

エクアドルの首都キトに仕事で滞在していた日本人の方の話です。富士山の7~8合目あたりに位置するキトでは、平地の70%程度しか気圧がないことから、密閉したビニールなどは風船のようにパンパンになるのだそうです。気圧の低さは、慣れていない人にとっての体調にも影響を与えます。1回の呼吸で摂取できる酸素量も限られることから、頭痛や食欲不振などの症状を引き起こす場合もあるのだそうです。でも、歴史が物語るように、動物も植物も、もちろん人も、その土地で生活するために変化を遂げ、見事に課題の克服を図ってきました。人の持つ柔軟性は、自らが認識する以上に素晴らしいものです。ちなみに、身体を守るためにヘモグロビンが増加したためなのか、あるいは肺活量が大きくなったためなのかは定かではありませんが、前述した方は4年間のキトでの生活をとおして、日本に帰国した後に運動をしても疲れにくくなった、と話されています。一方、キトに住む人たちは、低地に移動すると空気が重くのしかかるように感じ、風の圧力に耐えられずに、すぐにキトに戻りたがるそうです。人には、まだまだ神秘的な面がたくさんあります。

4月28日(金) 川俣高等学校長