令和4年度

物 流

江戸時代には、武士の家に出入りする町人などが武士に対して、干魚や昆布、片栗粉など、比較的長持ちする献進物を届けていたそうです。多くもらい過ぎて余ってしまうために、武士から献進物の残りを引き取る献残屋(けんざんや)という商売があった、と、喜多川守貞の著に記されています。献残屋は引き取った品を御用達(ごようたし))に売り、その御用達は、必要とする武士や町人に売っていたとされますから、ある意味、滞ることなく物流が実践されていたとも言えます。でも、自分が届けた献進物が、ぐるっと回って自分の手元に戻ってきたこともあったのかな、と想像すると、少し落語的感覚にも陥ります。

6月7日(水) 川俣高等学校長