令和4年度

知らない自分を知る

「私はそこを立ち去りながら、独りこう考えた。とにかく自分の方があの男よりも賢明である、と。彼は何も知らないのに、何かを知っていると信じており、私は少なくとも、自ら、知らぬことを知っているとは思っていない限りにおいて、あの男よりも知恵の上で少しばかり優っている。」これはプラトン著『ソクラテスの弁明』に書かれた一節です。知らないことを、知らないと話すことに人は躊躇することがありますが、全く恥じることはありません。知らなければ、知るように心がければよいだけです。むしろ、知らないと表明した方が、思いっきり人に聞くこともできます。併せて、知らない自分に目を向ける勇気を持つことも大きな意味を持ちます。数日後、数か月後、数年後に、大きな差が生じます。

5月19日(金) 川俣高等学校長