令和4年度

言葉遣い

私たちは日々、多くの場面で言葉を使って文章を作成したり、話をしたりします。その際に、自然に主観が入り込むこともあります。たとえば、「Aさんは仕事ができるうえに親切です。」「Aさんは仕事ができるのに親切です。」という2つの表現を比較してみます。どちらもAさんに対する評価であり、同じことを表現しているようにも思えますが、実は決定的な違いがあります。それは、後者で使用している「のに」です。この話し手は日頃から、仕事ができる人は基本的に親切ではない、と感じていることがうかがえます。この一例からも、言葉遣いの難しさと奥深さを感じます。また、「これはできなかったね。でも、それはできたね。」「それはできたね。でも、これはできなかったね。」という2つの表現では、順番を入れ替えているだけなのですが、受け手の印象としては、後者の方が「できなかった」と言われたイメージが強く、モチベーションも下がるようです。相手を励ます優しい気持ちから発する言葉を確実に伝えるためにも、自らの言葉について考えてみることは重要です。

8月24日(木) 川俣高等学校長