令和4年度

難 問

フランスの哲学者デカルトは、疑って疑い抜き、これだけは疑いようがない、というところから考えを進めるべき、と説きました。『我思う ゆえに我あり』という表現は、周囲には疑わしいことが多くあるものの、疑っている自分がいることだけは疑う余地はない、ということを表現している,、との解釈もあります。そして彼は、難しい課題は分割して処理すべき、とも説きます。現在、私たちの周りにある課題は、大抵、諸問題が関係して生じることが多くあります。複雑化した課題解決には、多少の時間や労力を必要としても、一つ一つの事象に丁寧に向き合うことから解決を図ることができます。中国の思想家である老子も、難しいことは容易いことから始め、大きいことは小さなことから手をつけよ、という意味で、『難ヲ易キニ図リ、大ヲ其ノ細キニ為ス』としています。

12月21日(木) 川俣高等学校長