令和4年度

一体化

外敵から身を守るために、動物はよく周囲の環境に溶け込み、自分をその一部に見せたりします。石を隠すなら石の中、人に隠れるなら人の中、という諺もあります。こうした保護色の処世術ともいうべき行動は、人の世界にも取り入れられています。身を隠すという意味合い以上に周りと一体化することは、多くの良き側面を持つことは、借景(しゃっけい)の概念からもうかがえます。目の前にある庭の景色に周囲の自然を取り込んで、眺め全体を色合い豊かなものに変える作庭技法は、文化の深みすら感じます。人は昔から、そして今でも、自然との融合、そして、人との融合を目指して生活を営んでいるのだと思います。

6月29日(木) 川俣高等学校長