令和4年度

砂には、砂丘など大きな存在から、石川啄木の「一握りの砂」から感じる身近なものなど、様々なイメージがあります。その砂丘も、動と静、荒々しさと優しさなど、相反するイメージを持っています。また、砂浜に立つと、人は波の音を聞きながら、指で思い思いの絵を描いたり、手で作品を作ったりします。砂の上では、皆が芸術家です。砂を知るには、豊かな創造力と思考力を要するようです。小学校や公園にある砂場もそうです。哲学者の中村雄二郎氏は、「子どもの頃に誰でも経験のある砂場の遊びには、生の自然にじかに触れる愉しみと手ごたえがある。触覚によるこの手ごたえは、一見なんでもないことのように見えるが、私たち人間が自分の生命感覚を確かめる原点でもある。」と話しています。若い頃に培われた感性は、人生を豊かにしてくれます。

1月4日(水) 川俣高等学校長