令和4年度

淡 い

よく、はじめに言葉ありき、という言葉を耳にします。あのときの一言で元気づけられた、または、あのときの一言がなければ、など、言葉の力が大きいことは言うまでもありませんが、一方で日本では、言葉を明確に発することなく曖昧にする傾向がある、との指摘を受けることもあります。その一因は、日本の風土にもあるのかもしれません。日本中が色彩に覆われる桜や新録の季節、その色合いは、霞たなびく、とも表現できるほど、どことなく淡い感じに包まれます。色彩は、人の気持ちに大きな影響を与えます。淡い色合いをとおして想像する世界の深さが、日本人を思慮深くしている一面があるのかもしれません。

2月10日(金) 川俣高等学校長