令和4年度

仕事の道筋

ある会社の新人社員研修で、ある新聞の全ページに使われている字数を90分で数えるよう指示されたそうです。3つに分けられた班では、その方法について手順を話し合い、作業に取りかかります。1つ目の班は、1人分の担当ページを決めて、それぞれが一斉に数え始めます。2つ目の班は、題字の下に掲載された新聞社の電話番号に電話をして、解答を聞き出そうとします。そして3つ目の班は、全員で1ページ目の傾向把握に努めます。日によって違いはあるものの、平均的な数値として新聞には約12万字が使用されているそうですが、数字や記号を含ませるかどうかなど、不確定要素により正解は異なります。その会社が見たかったこと、それは、正解以上に取り組む過程での姿勢だったようです。1つ目の班のように、エネルギッシュに立ち向かう力は、社会人に必要不可欠とされます。また、2つ目の班のように、電話などの手段を有効活用して情報収集することも大切です。3つ目の班のように、全員で協力して目を通した結果、その新聞の紙面は15段に区切られており、各段には80行から90行あり、その1行には14字程度入っていることを分析する、そうした協力と分析力も求められる力です。課題解決の方法は、準備されているものではなく自分で見い出すものであり、また、正解も一つとは限らない、ということは、いつの時代にも当てはまるようです。

7月6日(木) 川俣高等学校長