令和4年度

読書という名の知の筋トレ

読者は、知性を鍛える上で重要です。最近では、挿入絵を多く取り入れた本も販売されていますが、想像力を働かせるという観点からは、挿入絵は少ない方が望ましい、と齋藤孝先生は指摘します。挿入絵があると、見たままを理解することで十分であるため、想像の余地は残らなくなります。能動的に想像力を働かせなくても、面白いことが次から次へと出てくるため、そもそも能動的になる必要がなくなる、ということだそうです。こうした意味において、文字を主体とした本を読むことは、知の筋トレとも言えます。そういえば、たまたま読んだ本が、後にドラマ化や映画化された際に、自分の考えていたものとはかなり異なっていて違和感を感じた、という経験はありませんか。これも、私たちが読書をした際に、無意識のうちに、文字から想像したものを頭の中で映像化していた証だと思います。そして、こうした体験もまた、読書の醍醐味の一つとされています。

11月4日(木) 川俣高等学校長