令和4年度

メタ認知

生徒の皆さんは夏目漱石氏の本を読んだ経験はあるでしょうか。高校の英語教師であった彼がイギリス留学を体験しなければ、『吾輩は猫である』は生まれなかったとも言われています。イギリスという異国で、他者の眼をとおして自分を見つめたことから新たに知ったことは多く、こうした第三者としての目線で自分を見つめ直すことを心理学用語でメタ認知といいます。自分の安心できる場所にだけいて、これこそ自分のあるべき姿、として自己肯定をしていると、自己否定することができなくなります。実は、自己否定からも成長の機会は生じます。自己否定をすれば自己の存在がなくなる、と考えている人は、結果として成長機会を自ら放棄していることにもなります。人は様々な可能性を秘めています。自分で気づいているそれは、多くの可能性の中のほんの一部です。アウェ-に足を踏み出すからこそ、自分の良さについても、多くの周囲の方々から指摘を受けることができます。

10月13日(金) 川俣高等学校長