令和4年度

視野の広がり

「白日(はくじつ)山に依りて尽き、黄河海に入りて流る 千里の目を窮(きわ)めんと欲して、更に一層楼(ろう)を上る」と歌った中国の詩人がいます。「太陽は山にかかってその背に落ち、黄河は海に向かって滔々と流れている。その千里の彼方まで見極めようと、楼閣を更に一層上へとのぼった。」という意味の詩ですが、高いところに登ると周囲を見渡すことができる、という、ごく当たり前のことを述べている裏側には、実はもっと深い意味が含まれている、とする人もいます。人は自分の背丈からはあまりものを見ることができないので、もっと先まで見通したいと思うなら、少しでも高いところ、つまり目標に向かって一歩ずつでも歩みを進めていく必要がある、という向上心の尊さを表現している、とする説です。千里の先を窮めたいという強い意思には、人の生き方にも影響を及ぼすほどの力が込められています。

7月13日(木) 川俣高等学校長