令和4年度

工夫に次ぐ工夫

衣類をしまう際に使用する防虫剤には、樟脳やナフタリン、パラジクロルベンゼンなど刺激臭の強いものが使われていました。匂いが虫を寄せ付けない効果がある一方で、その匂いのために購入を控える人もいたそうです。着る前に一日陰干しをして風に当てると、その匂いはある程度消えますが、面倒である、との声も多く寄せられたため、企業は、防虫剤は匂うもの、という常識を覆す商品開発を始めました。そして、防虫剤に使用されていた成分を科学的に合成するなどして、無臭薬剤の開発に成功します。容器の形も工夫して売り出すと売上が伸びたそうです。でも、液状の無色無臭の薬剤を染み込ませた布を使用していたため、今度は、見た目には残量がわからない、との声が寄せられるようになりました。こうした事態も、防虫剤の着色化を図ったり、容器表面に付けた色が変わるときが残量無しのサインとするなど、再度の工夫により即座対応をしたそうです。その時その時に最高値であったものも、時代の変化とともに変容を遂げるのは、これまでの歴史を見ても明らかです。何事においても、常に創意工夫を要します。

5月12日(金) 川俣高等学校長