令和4年度

幸福の追求

中世末からルネサンスにかけて、なぜ人は独創的になれたのか、人が人として生き生きと過ごすことができたのかについて、フェーブルが1925年に書いた『フランス・ルネサンスの文明』の中では、『comfortという言葉に含まれる利便や物質的安楽、つまり、指先で押すだけで点いたり消えたりする照明、季節と無関係な室温、自由自在に流れ出る熱湯や水、これら全てが我々を縛り、我々を捉えている。』と述べられています。そして、こうした意味において16世紀に生きた人は自由だった、とも書かれています。人は豊かな生活を求めます。その追求の過程において、人の手により多くのモノが開発され、私たちの生活に彩りを添えます。一方で、そうしたモノに強い拘束を受けることは、本来の幸福という側面からは離れてしまうこともあります。生徒の皆さん、皆さんが日常的に手にするモノ、触れるモノを主体的に活用していますか。生活の主人公は皆さんです。

2月28日(水) 川俣高等学校長