令和4年度

事の是非

生徒の皆さんは、自分にしかできない何かを見つけていますか。皆さんが真から興味のあることに一心に取り組み、工夫をしながらその道に励むことは素晴らしいことで、そこから自信も生じます。好きこそ物の上手なれ、という表現もあります。でも、物事に取り組む際には、他者の存在も視界に入ります。もしも先に進む人の姿を目にすると、焦燥に駆られることもあるかもしれません。尾崎一雄氏は『痩せた雄鶏』に、「疲れたら憩(やす)むがよい。彼等もまた、遠くはゆくまい。」と書いています。『宋名臣言行録』にも、「事の是非如何と顧みるのみ。成敗に至りては天なり。」と記されているように、要は、目の前にあることが、是か非か、つまりは、正しいか正しくはないかを見極めることこそ大切なのです。取組の後に、成功であったか失敗したかは問われるものではなく、また、他者の評価も然り、という考えにも行きつきます。ちなみに、ここでいう「天」とは天命を指します。

9月5日(火) 川俣高等学校長