令和4年度

柔軟発想

果実生産、特に桃の生産に力を入れている県が、かつて、出荷前にその甘さを正確に測ることはできないかと考えていたそうです。会議中に、宇宙から地球の地下資源を探査する人工衛星があることを思い出した職員が、地球も桃も同じく丸いのだから、地球でできることは桃にも適用可能だ、と発言します。ランドサットと呼ばれた人工衛星は、軌道を回りながら地球に当たって反射してくる太陽光を捉えて分析を行っていました。岩石は種類ごとに波長の異なる光を吸収するため、埋蔵されている鉱石の見当がつく、という仕組みだそうです。県果実連からその話を持ち込まれた金属鉱業も最初は驚いたそうです。でも、地球も桃も同じく丸い、という職員の言葉に、専門家も納得したというから興味深いものです。そして、2年の歳月をかけてできあがった機械は、桃1個あたり0.13秒で、その糖度と水分を測定できるようになったそうです。切ってみなければわからなかった桃の中身が瞬時にわかるようになったことは、果実業界に大きな進化をもたらしました。

5月15日(月) 川俣高等学校長