令和4年度

可 能

全国規模で事業展開をする企業が、野外に置く商品を架設するのに、これまでのコンクリート使用から、耐久性や軽さを考慮して鋼管柱を用いることに決めたそうです。でも、鋼管は中が空洞になっているため、小鳥が入り込み、出られなくなる事案が多く発生してしまいます。年間数百万羽もの小鳥が命を落としていることが報じられると、多くの非難が寄せられました。そのことが最初に企業内で報告されたとき、鋼管柱にキャップを取り付けるには多くの費用と年数がかかる、という理由で、対応に二の足を踏む傾向にありましたが、命の大切さを重視すべきとの声が社内で高まり、本格的な検討を始めます。結果として、プラスチックで作成したフタは大量注文のため、当初予想された費用の10分の1で済みました。また、年間2回実施していた点検時にキャップを付けるようにしたために、新たな人件費もかかることなく、作業期間も半年程度で済んだそうです。不可能という文字が頭に浮かぶと、間違いなくすべての取組は不可能になります。創意工夫により、不可能が可能に変わる瞬間は、必ず存在します。

3月23日(木) 川俣高等学校長