令和4年度

謙虚の美徳

将棋の世界は、盤上の勝負で対局料が決まるなど厳然たる実力主義に貫かれています。ところが、対局が行われる際に座る位置については趣が異なる場合があるそうです。対局が行われる座敷には床の間があり、それを背にする位置を上座、反対を下座としています。対局を迎える棋士のうち順位の高い方が上座となりますが、将棋の世界の先輩を立てたり、年齢を考慮したりして譲り合いが起こる場合もあるそうです。でも、一定の時間が過ぎると、他の棋士が見ても違和感を感じることがなく二人の位置が決まるというのですから、興味深いものです。棋士に必要とされる資質として、実力と謙虚の美徳の2つをあげる人が多くいます。まさに、座る位置の過程から見ても然りです。

3月15日(水) 川俣高等学校長