令和4年度

友人の大切さについては、入学式や集会時に、生徒の皆さんに多く話してきたところです。当たり前のことですが、自分を除けば、一つの集団は自分とは異なる存在から構成されています。その自分以外の他者を受け入れることで、人は自分を再発見できる、とも言われています。自分とは異なる存在の事実を知り、認めることで、人は己を知ります。仮に、自分だけ、あるいは、自分に似た近い存在のみ認める姿勢しか持たないとすれば、同類が集うのみで自己発見にはいたらない場合もあります。ソローは『森の生活』の中で、「太鼓の音に足の合わぬ者を咎めるな。その人は、別の太鼓に聞き入っているのかもしれない。」と書いています。友情形成には、寛恕の心を要します。

5月9日(火) 川俣高等学校長