令和4年度

新たな道

大正生まれの江頭匡一さんは、アメリカのレストラン王と言われたハワード・ジョンソンの本を読み、レストラン経営に興味を持ちます。まだ、飲食業が東京証券取引所一部に上場されていなかった時代に、彼は日本にも飲食業が定着すると考え、故郷福岡市に一軒の店を構えます。そして、江頭さんは常に、店の経営に関して創意工夫を積み重ねます。人通りの多い交通に便利な場所に店がなければ、人は入りません。でも、そうした場所は土地代が高くなります。そこで、全ての調理をお店でするのではなく、業務を分けることはできないか、と彼は考えます。郊外に広いスペースの調理場を作り、調理したものを各店舗に配ることでコストダウンを図る、セントラルキッチン方式を生み出したのも、そうした創意工夫の一つです。後に彼は、日本の外食産業の先駆者と称されるようになりました。新たな道を創り出すことは楽しいものです。そして、新たな道を見つけ出すヒントは、本の中、日常生活の中、生徒の皆さんの頭の中にあるのです。

6月20日(月) 川俣高等学校長