令和4年度

自分の色

棋士の坂田三吉氏をご存じでしょうか。小さい頃から暇を見つけては将棋ばかり指していた三吉氏に、父親の卯之吉氏は、「ここに、赤と青、黄と紫、白と5色あるが、将棋しか見えていないお前には、白しか見えないのと同じこと。本来なら5つの色を学ぶべきところだが、お前は、白一色の世界でやっていくがいい。こうと決めたら気を散らすことなく、どこまでも白一色を貫きなさい。」と話します。卯之吉氏は三吉氏に対して、一途に一筋の道を究めることを教え、一方で、三吉氏はその教えを忠実に守り通します。数多くの実践をとおして彼は腕を磨き、彼の独特で個性豊かな指し方は、当時の将棋界を席巻することとなります。そして後に関西将棋名人となり、日本将棋連盟から、名誉名人「王将」が贈られました。生徒の皆さんは自分の色を知っていますか。もしも、まだ自分の色に気づいていないなら、友に聞くのも一つの手です。友はいつも近くにいて、想像以上に皆さんのことをよく見ています。

2月9日(木) 川俣高等学校長