令和4年度

自分との関係性

古代アテナイの人たちはアゴラ(広場))を中心として生活を送っていました。一日の仕事は午前中に終わってしまうので、午後には、アゴラには馬具屋や布地屋など、多くの市場が開きます。そうした中を、哲学の祖とされるソクラテスは、何とこんなにたくさんの私に関係のないものがあるのか、と、ささやきながら歩いていたそうです。では、ソクラテスにとって関係のあるものとは何だったのでしょうか。彼にとって、それは知恵でした。人は、自分には関係ないと思えば関心を払うことをしません。一方で、自分との関係性を見い出せば、貪欲なまでの探究心を発揮します。ある概念に価値を生み出す基準は、人そのものです。元々概念に価値があるというよりもむしろ、人がそこに価値を与えていくのかもしれません。生徒の皆さんにとって、関係性の高いと感じるものは何でしょうか。

4月11日(火) 川俣高等学校長