令和4年度

成 果

何かを成し遂げようとするとき、その過程で必要とされることは何でしょうか。その人の持つ才能、という人もいます。でも、才能に恵まれたとされるゲーテほど、才にまかせてするのを戒め、努力と精神の集中の必要性を説いた人はいません。偉大な仕事を成し遂げようと欲するなら、心を集中しなければならない、と、彼はいたるところで話しています。そうして成し遂げるからこそ、苦労に満ちた努力も、喜びへと変わるのだと思います。高村光太郎氏も、才に頼り次から次へと手を出すこと以上に、むしろ鈍であれ、牡牛のごとくひたむきに押せ、ということを「牛」という詩にうたっています。それには、一定の時間を要するとは思います。でも、もしも仕事で一定の区切りを迎えて自らを顧みた際に、それまで取り組んできた自分は充実した時を過ごすことができた、と思えたら、相当に幸せです。そういえば、山口市にある中原中也氏の詩碑には、小林秀雄氏の字で、「あぁ、おまへ(お前)はなにをして来(き)たのだと・・吹き来る風が私に云(い)う」と刻まれています。

12月9日(金) 川俣高等学校長