令和4年度

2021年11月の記事一覧

軽やかな心

人が持たなくてはならないものを一つあげよ、と言われたら、生徒の皆さんは何を思い浮かべますか。それは軽やかな心である、と、哲学者ニーチェは指摘しています。幼い子どもが、「やりたい。」と思い行動する根底にあるもの、それが軽やかな心だそうです。言い換えれば、好奇心です。先天的に、こうした心を備えている人もいます。一方で、多くの知識に触れることでも、その習得は可能です。先人が切り拓いてくれた新たな分野を知ることにより、目の前にかかっていた霧が晴れるかのように、先を見通すことができます。軽やかな心を備えることで、毎日の生活も元気に送ることができます。自分の中に湧き出るかのようなエネルギーを、生徒の皆さんも是非感じ取ってみてください。

11月5日(金) 川俣高等学校長

読書という名の知の筋トレ

読者は、知性を鍛える上で重要です。最近では、挿入絵を多く取り入れた本も販売されていますが、想像力を働かせるという観点からは、挿入絵は少ない方が望ましい、と齋藤孝先生は指摘します。挿入絵があると、見たままを理解することで十分であるため、想像の余地は残らなくなります。能動的に想像力を働かせなくても、面白いことが次から次へと出てくるため、そもそも能動的になる必要がなくなる、ということだそうです。こうした意味において、文字を主体とした本を読むことは、知の筋トレとも言えます。そういえば、たまたま読んだ本が、後にドラマ化や映画化された際に、自分の考えていたものとはかなり異なっていて違和感を感じた、という経験はありませんか。これも、私たちが読書をした際に、無意識のうちに、文字から想像したものを頭の中で映像化していた証だと思います。そして、こうした体験もまた、読書の醍醐味の一つとされています。

11月4日(木) 川俣高等学校長

柔軟性

心理学者アルフレッド・アドラーは、人が、ある程度の年齢と経験を積み重ねていくことで思考法が固まっていくことを、ライフスタイルの確立と呼んでいます。しっかりとしたライフスタイルを持つことは、一見するとよいことにも思えますが、一方で、ものの見方も固定化してしまう一面があります。アインシュタインも、「常識とは、その人が18歳になるまでに獲得した偏見のコレクションである」との厳しい言葉を残しています。頭を柔軟にして、様々なことに対処できる力を備えるにはどうしたらよいのか。それは、物事を論理的に突き詰めて考える型と、直感で判断できる型の両方を持ち合わせることによります。そして、その習慣化には読書が最適です。多くの筆者が、読者である私たちに投げかけてくれる提案を正面から受け止め、自分の中に定着を図ろうと心がけることにより、前述した力の習得を一層円滑に行うことができます。

11月2日(火) 川俣高等学校長

人生の花

人生の美しい在り方がよく花に例えられるなど、人と花は縁が深い関係にあります。花を美しく咲かせるには、肥料や水の与え方、時期に合う適切な手入れなど、大変な準備と苦労を重ねる必要があります。「ひと晩に咲かせてみんと梅の鉢を火にあぶりしが咲かざりしかな」という石川啄木の歌もあります。さて、花への気遣いは、そのまま人の成長にも当てはまります。生徒の皆さんも、心身の健康に心がけながら、自分に合った、自分の目的に沿った生活を継続し、十分な栄養を蓄える時期をとおして、自分自身の大きな花を咲かせてみませんか。

11月1日(月) 川俣高等学校長